僕が課長として籍を置く営業部がピンチ、大ピンチだ。会社の業績悪化により、この夏からの次期にでも他事業部に統廃合されると噂されているのだ。なぜ廃されるのかというと数字を生み出さない、非生産的な部署だからだそうである。 苦しい。僕らの日々の営業活動を投資ではなく、無駄といわれては。仕方ない。現在、営業部は部長不在のため会社上層部内での立場が弱いからだ。直近の営業部長が「なるへそ」「なるへそ」の連呼とともにもたらした数多の災厄は会社全体のトラウマとなっており「二度とあのような悲劇を起こしてはならない。営業部の暴走は絶対にさせない。営業部の交戦権は、これを認めない」と終戦直後の日本のように固く誓った上層部が営業部長を空席にさせている。なるへそ。 手始めに総務部長が我が営業部の部長を兼務しそうだ。長年にわたり独立性を保ってきた営業部門のトップが管理部門に占領される。管理部門によるシビリアンコントロー