世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる好評連載。第2回は台頭する中国とどう対峙していくかについて。 中国共産党が今年、創立100年を祝ったが、西洋諸国はその中国の体制に対して、どんな姿勢で臨むべきなのか、いまだに腰が定まっていない。 単刀直入に言ってしまおう。 対中国での上策は、西洋諸国が傲慢に振る舞うことを止め、世界規模で人々に解放と平等をもたらす展望を描いてみせることである。 民主的で、参加型であり、環境にやさしく、ポスト植民地主義でもある、そんな新しい社会主義が求められている。 西洋諸国が相も変わらずお説教を続け、時代遅れのハイパー資本主義のモデルにしがみつくだけなら、中国という課題を前に、ひどく痛い目に遭うおそれがある。