「核のボタン」と呼ばれる黒いカバン。通常は軍服姿の担当士官が持ち歩いている=ワシントンで3月3日、AP 愛称「フットボール」持つ担当士官、必ず随行するのだが… 【シンガポール高本耕太】史上初の米朝首脳会談に臨むため、シンガポールに10日到着したトランプ米大統領の傍らに、核攻撃の命令コード(暗号)などを収めた「核のボタン」と呼ばれるカバンを持つ軍服姿の担当士官の姿がなかった。士官は国家安全保障のため大統領の行く先に必ず随行する。「北朝鮮の非核化」という会談の最重要課題に配慮し、目立つ軍服を避けた可能性がある。 黒革で覆われたジュラルミン製カバンは「フットボール」の愛称で知られ、米国が攻撃を受けた場合などに司令部を離れていても即座に対応できるように、核攻撃の選択肢やコード表のほか緊急通信機器などが入っているとされる。士官は制服姿でカバンを持ち、大統領に同行することが多い。