私の経営する中西印刷は明治の非常に早い時期に京都の地に活版印刷を導入し、その後活版印刷の会社として百年以上の歴史がある。この件については、本誌の印刷史関係の記事でも何度か紹介していただいている。 実はさらに活版以前に、木版の時代があったというのが口伝としてあった。しかし、その証拠となる木版時代の本というのはこれまで発見されていなかった。木版・活版・平版・デジタルという4つの印刷形式を駆け抜けた会社という当社のキャッチフレーズには実のところ証拠がなかったのだ。 そのことを気にして、亡くなった伯父は京都中の古本屋から明治初期の書籍をかたっぱしから取りよせて、中西製木版本を探したが、結局、亡くなるまでに中西製木版本を発見することはなかった。 ところが木版による出版物が発見できたのである。それも国立国会図書館デジタルコレクションでなのだ。 国立国会図書館デジタルコレクションは書籍の全ページの画像を
この「版元日誌」をどの範囲の人がどの程度読んでいるのかはわからない。今回は、おおよその読者が版元ドットコムの関係者だということで話を進めたい。 春先に、ある著者から電話があった。 現在弊社で刊行し、書店でも流通している書籍について、某会社から電子書籍化を勧められているという(ここで書籍名を言ってしまうと著者名までバレてしまうのでふせておく)。 著者にコンタクトをとってきているのは、Nという会社で、元はWEBの制作などを中心にしていた会社だったが、最近電子書籍化の営業をあちこちで進めているらしい。 著者にお願いして資料を見せてもらったが、紙の本をスキャンして文字起こしをし、再度ePUBデータをつくるというもの。表紙は新たに作り直し、できた電子書籍をアマゾンへ出品、1冊ごとに著者へ7割が返ってくるという仕組みが提案されていた。 価格は6ケタにいかないぐらいだという。 こちらからは、自社内に印刷
2016年10月26日、JSTORが、カリフォルニア大学出版局、ミシガン大学出版局、ロンドン大学出版局、コーネル大学出版局が出版した学術書63タイトルをオープンアクセスでJSTORのプラットフォームから公開したと発表しています。来年にかけて数百点のタイトルを追加する予定とのことです。 各タイトルは、出版社がクリエイティブコモンズの6種類のライセンスの内の1つを採用しており、DRMフリーで、章単位でのPDFでのダウンロードや印刷も可能です。また、利用にあたっては登録やログインは必要ありません。 メタデータと全文テキストがディスカバリーサービスに提供されるほか、提供される学術書は、電子学術情報アーカイブのPorticoで長期保存されます。 Twitter(@JSTOR,2016/10/26) https://twitter.com/JSTOR/status/791287909609537536
Kindleを見ていると、ちょっと不思議だったり、疑問に思うことがことがあったので、まとめてみる。読んで面白かった本のお勧めでもある。 同内容の本が別々の出版社からKindle化される−『百億の昼と千億の夜』『日中十五年戦争史』− 百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 光瀬龍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/08/01メディア: Kindle版購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログを見る百億の昼と千億の夜 (角川文庫) 作者: 光瀬龍出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2014/08/26メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る※角川書店版はセールで1月29日のPM11:59まで264円 『百億の昼と千億の夜』のKindle版は、早川書房が2012年8月に出して、角川書店が2014年8月に出している。紙の
こういうのに行ってきた。 緊急シンポジウム「近デジ大蔵経公開停止・再開問題を通じて人文系学術研究における情報共有の将来を考える」 http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~nagasaki/daizokyo2014.html こちらの件を受けて開催されたシンポジウムとのこと。全体は二部構成。第一部と第二部それぞれの冒頭に、永崎先生による背景説明と安岡先生による問題提起があった。自分は第一部の冒頭で少々遅刻して一部聴けなかったが、内容はだいたい同じと思われることから、以下では第二部冒頭で聞いた話も第一部冒頭に勝手にまとめる形で編集した。参加者は30名程度か。 以下、例によってxiao-2が聞き取れて理解できてメモできて、なおかつ覚えていた範囲のレポート。項目立ては適当。敬称はおおむね省略。 永崎研宣先生(一般財団法人人文情報学研究所主席研究員ほか)による趣旨説明
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