物心がついた頃からずっと、二次創作は私にとって身近な存在だった。 シンデレラ、白雪姫、ラプンツェル。気に入った話があればすぐ「続きは?」とせがむ私に母はよく即興の続編を聞かせてくれた。 本を読んでくれるのは昼間だが、続編を聞かせてくれるのは眠る前の布団の中だった。 お話をしてもらえない日の夜は、仕方ないので自分の二次創作妄想で眠りにつくまでの時間を埋めた。母の語る話には遠く及ばないが、神が書いてくれない日は自分で書くしかない。私は今でもそう思っている。 お気に入りの妄想は、シンデレラや白雪姫が王子様に嫁いだあと、隣国の王子が姫を奪いに攻め込んでくる話だ。 自軍が不利な戦況になり、さらわれそうになったシンデレラが、果敢に剣術で立ち向かい隣国の王子を斬り捨てるシーンが特に好きだった。 隣国の王子を殺したあとは、隣国の家臣から銃殺されることも少なくなかった。 母のお話では主人公は死なないので、軽