本連載は,中堅企業の情報システム担当者の方,特に情報技術の専門家ではない担当者の方を思い描きながら,情報化で失敗して「動かないコンピュータ」状態に陥ることを防ぐポイントを述べるものである。情報化の局面を,(1) 課題設定・新システム構想企画段階,(2) 情報システム設計・構築段階,(3) 新システム運用・維持段階の三つに分け,各局面ごとに想定される問題点を列挙し,解決策を提示していきたい。 多くの中堅企業は専任のシステム担当者を今でも置いていないであろうし,仮に置いていても情報技術の専門家であることは期待できない。しかし,情報技術の世界が大きく変化した結果,専門家ではなくても経営に役立つシステムを企画し,構築・運用することは可能になった。 本連載では,「まずこれをして,その次はこれをせよ」という手順の解説ではなく,情報化のさまざまな局面で出てくるであろう「問題の候補生たち」を指摘し,そうし