電気グルーヴの『人間と動物』を聴いた - DJホームラン

音楽 ベテラン打者が素のテンションで、肩の力を抜いて一振りしたバットがボールのど真ん中を捉えて、信じられないぐらい呆気なく、打球が綺麗な放物線を描きながら球場の外まで飛んでいくさまを観ているような気持ち。電気グルーヴの新作『人間と動物』は、何だかすごく良い。 僕が一般的にテクノとカテゴライズされる音楽を聴き始めた頃は、それこそ電気グルーヴの『ドラゴン』や、あとは『トレインスポッティング』の余波でラジオで流れまくっていたアンダーワールドを面白がって聴いていた。僕がテクノ原体験にそれらの音楽を聴いて感じていた魅力や愉しさを再認識させてくれるような部分が、この『人間と動物』にはある。 勿論、本作が90年代中盤にレイドバックした作品だと言いたいわけでは無い。そもそも、レイドバックという点では今回の電気グルーヴは彼らの音楽的素養の原点と思われる70〜80年代テクノポップの意趣すら引っ張り出してきてい

[pitti2210]

「ベテラン打者が素のテンションで、肩の力を抜いて一振りしたバットがボールのど真ん中を捉えて、信じられないぐらい呆気なく、打球が綺麗な放物線を描きながら球場の外まで飛んでいくさまを観ているような気持ち」