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[書評] 遺伝と平等 (キャスリン・ベイジ・ハーデン著、青木薫訳): 極東ブログ
「この本のテーマ、つまり、遺伝と平等、にご関心があるでしょ?」と問われた。そのとおりである。貪る... 「この本のテーマ、つまり、遺伝と平等、にご関心があるでしょ?」と問われた。そのとおりである。貪るように読んだ。本書は、科学啓蒙書の翻訳に定評ある青木薫さんの正確で読みやすい訳文であるのだが、内容自体はやや難しく、率直なところ、どちらかというと読みづらかった。でも、これはなるほど、今読まなければならない本なのだ、ということはわかった。 本書の基本的な主張は、2つあるだろう。ごく割り切って言うなら、1つは、平等社会を求めるリベラル派は遺伝子学の知見を優生学として嫌いその達成を認めない傾向があるが、それは誤りであり、平等社会を求めるなら、「遺伝子くじ」ともいえる生まれつきの運不運の存在を認め、その上でこれに科学的な遺伝子学の知見によって向き合わなけれならないということ。2つめは、遺伝子学として語られる内容が単純化されると、実質的には優生学のような謬見に陥りやすいということだ。 このため、本書では
2023/11/14 リンク