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【梅田望夫最終局観戦記】 (8) その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちる
「これは検討通りに、一直線に行ってしまうかもしれないねえ」 という棋士たちの声を背に、午後3時に対... 「これは検討通りに、一直線に行ってしまうかもしれないねえ」 という棋士たちの声を背に、午後3時に対局場に入った。木村さんが32分の長考の末、検討通りの▲7三歩成を指したところだった。消費時間は、両者ほぼ130分ずつと均衡している。まだまだ時間はたっぷり残っている。 木村さんは傍目にもちょっとつらそうに見える。やはり生身の人間だから、表情やしぐさやときおり発する声で、その感じが盤側にいてもわかる。対局者同士は、傍で想像する以上に、相手がどう考えているかを感じ合いながら、戦っているのだろう。 『羽生名人は1時間4分考えて▲2三歩と垂らしてきた。この長考中は本当に苦しい時間だった。▲2三歩でも▲5二金でも私が悪そうで、光は全く見えない。こんな時は平静を装うだけでも疲れる。羽生名人が席を外す度に私は大きくため息をついたり、頭を抱えたりしていた。控室や大盤解説場のモニターには映っているが対戦相手にだ
2009/07/18 リンク