『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝：切り口上』

東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう！ 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです ２２ 「切り口上」 ６ 客も途絶え、暖簾のれんを外す一時になるころ村山が現れた。 「先輩、こんな時間に呼び出してすんません」 近藤が侘わびをいれた。 「久しぶりやな、察に時間なんて無いがな。 退職してから初めて声掛けてくれたんや、飛んで来ましたで」 村山が笑顔をみせる。 ふくよかな顔は、温和な人柄をしのばせる。 「ワシ龍蔵言いますんや、交通事故で解明したい事が有って、 近藤ハンにお願いしましたんや。 こちらは、被害者の父親大川源一ハンだす」 龍蔵が紹介した。 「所轄の交通課が捜査してる案件ですんや。 ワシに頼まれたんやけど、ナンボ府警本部や言うても、 ワシら刑事課で

[higashimoto28]

調査屋を始めたんや……