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世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(1)
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世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(1)
ギリシャ世界はペルシア軍の大遠征において黄昏に瀕していた。 空前の規模を誇るペルシアの軍団は紀元前... ギリシャ世界はペルシア軍の大遠征において黄昏に瀕していた。 空前の規模を誇るペルシアの軍団は紀元前480年、テルモピュレーの戦いにおいてギリシア陸軍の主力であるスパルタ軍を激戦の末に破り、スパルタの王であるレオニダス一世を戦死させた。スパルタ軍という防波堤を失ったギリシア本土は容赦なく侵攻され、ギリシアの中心都市であるアテナイがペルシア陸軍によって陥落するに至り、アテナイの軍人テミストクレス率いるギリシア海軍は絶望していた。「帰る国が無いのに、このまま戦ったところで何になる?」と。 しかし、彼らのリーダーであるテミストクレスだけは絶望していなかった。 絶望に染まる軍人たちの中で、彼は唯一希望を手放していなかった。彼は言った。「さあ、世界を取り戻しにいこう」と。 ◇ ペルシア戦争の戦乱の始まりをどこに求めるかは諸説あるが、紀元前480年以降のペルシア軍の大規模侵略より10年前、先駆けて起こっ