ヨーロッパにおける最後の龍の墜落について

ヨーロッパで最後に龍が堕ちたのは1856年のことである。 バルト海のとある湾に龍が住んでいた。湾口は2マイルあり、湾の入り口を守るように2つの小島が浮かんでいた。その間を怪力の龍なれば、羽ばたくこと僅か2回で飛び越えられたという。 しかしこの年、湾口の片側の島に灯台が建立され、夜にも煌々と灯油ランプが灯されるに及んだ。これは龍にとってはどうも具合が悪いものであったらしく、目が眩んだ龍は灯台にある島に墜落してしまったのだった。 それが何より証拠には、この灯台のすぐ下にある岩に、彼（乃至彼女）が最後に残した爪痕が今でもくっきりと残っている。行ってみてみるがいい、未だにくっきりとしたものだ。 なお、このドラゴン落とし灯台は1906年に高さ15メートルの塔に改築され、その時に新調されたフレネルレンズは未だに周辺を照らして止まない。

[IthacaChasma]

なんというかこの語り口や内容、じんわり好きだな。全体からほんのりと「昭和の文豪が書いた説話風の短編」味を感じる。

[narukami]

いい雰囲気だけどこの路線だともうちょっと文章量欲しい

[miyauchi_it]

“行ってみてみるがいい” バルト湾のどこなんだ。

[n_kasei]

あまり人で例えるのは良くないのかもしれないけど、九井諒子っぽくてとても好き

[daydollarbotch]

東華第二王朝〈翠〉において三頭の龍が蛇へと堕ちたのは光化3年頃。