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法律に「感情」が必要である理由(読書メモ:『感情と法』①) - 道徳的動物日記
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法律に「感情」が必要である理由(読書メモ:『感情と法』①) - 道徳的動物日記
感情と法―現代アメリカ社会の政治的リベラリズム 作者:マーサ ヌスバウム 慶應義塾大学出版会 Amazon 本... 感情と法―現代アメリカ社会の政治的リベラリズム 作者:マーサ ヌスバウム 慶應義塾大学出版会 Amazon 本書の序章や第1章などでまず強調されるのは、「感情はともかく非合理的であり、法的なルールを作るうえで感情に配慮することは常に間違いだ」(p.6)とする世間に広く普及した考え方や、刑罰というものは「犯罪を抑止する効果という観点」からでのみ考えるべきでありそこに被害者や加害者の感情を考慮する余地はないとする(功利主義に代表されるような)見方などの「非感情主義」は誤っており、この社会に法が存在することに感情は大きく関わっている、という主張だ。 …反感情主義的な立場のさらに大きな問題点は、それが、実際には、己の目的を達成できないことにある。その立場は、一方で、犯罪者の心情を判断しないという点においては感情を排除するが、他方のより根本的な点、すなわち、なぜ犯罪への罰則が存在するのかを説明する点