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読書記録
降霊会の夜 作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2012/03メディア: 単行本 クリック: 6... 降霊会の夜 作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2012/03メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る 書くものがなくなったときには立ち戻るしかない。なにに? おのれ自身に。 どんな人生を生きてきても、悔いはあるだろう。取り落としたものはきっとある。一回限り、リセットのきかない人生であれば、選べなかった道は無数にあり、得られなかった栄光は幻影として在り続ける。その思いを重ね合わせる夜に、これまで何度も夢想していながら、どうしてもたどり着けなかった夢の果てが降りてくることはあり得ることだ。 すべては言い訳にしかならず、許されてもならない。たまたま思いついたふたつの罪科が、彼の人生のすべてであるわけはない。であれば尺は問題にならず、このかりそめの舞台の貧弱さだけが悔やまれてならない。 すこしだけ、懐かしい小説家の声を聞いた気がした。それだ