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『ドイツ軍事史 その虚像と実像』 - HONZ
著者は冒頭「序に代えて」で次のように述べる。「筆者は、(偉大なドイツ陸軍に係る)定説の否定、偶像... 著者は冒頭「序に代えて」で次のように述べる。「筆者は、(偉大なドイツ陸軍に係る)定説の否定、偶像破壊に走っている。読者は、そう感じられるかもしれない。しかしながら、筆者が述べることは、今年、2016年現在の常識、もしくは定説にすぎない。もし、それが衝撃を与えるとすれば、日本におけるドイツ軍事史理解の遅れがなさしめていることだとしか言いようがなかろう。そのような不幸な溝を埋めるために、本書がいささかなりと役にたつなら、筆者としては望外の幸せである」。 この言やよし、そして本書の内容は、この言葉通り明解極まりない。後の祭りだが、僕も同じことを拙著(「仕事に効く教養としての『世界史』」、「世界史の10人」、「『全世界史』講義、Ⅰ、Ⅱ」)のまえがきに書くべきだった。もちろん、本書と拙著とでは書物としての「出来が違う」ことは十分自覚しているが。 第1章「戦史をゆがめるものたち」。怪しげな「新説」が一
2017/05/22 リンク