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32 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム
店名も読めないスナックバーを出た後、互いの家路に就くまで、両者とも言葉は一切交わさなかった。別れ... 店名も読めないスナックバーを出た後、互いの家路に就くまで、両者とも言葉は一切交わさなかった。別れ際に悪態の一つでも吐いてやろうと、壱八は店を出る前から機会を狙っていたが、結局それも果たせず終いだった。 無言のまま朱良と別れ、アパートのある方角へクロスバイクを漕ぎ進める。 薄紫色の空が、静かな私道の上空をどこまでも覆い尽くしていた。涼しいのか寒いのか判断に迷う、曖昧な冷え具合の向かい風が、速度を緩めた壱八の上体に吹きつけた。 そのまま部屋に戻っても良かったが、思案の末、少し寄り道をして近所の古本屋へ向かうことにした。 結構な衝撃ではあったが、朱良の指摘通り大したケガでもない。その程度のダメージを額に受けただけで、己の異能は消えたのか。信じられない思い、信じたくない気持ち、実際に異能の数々が使えなくなった現状認識が一つ意識の内に混在し、思考は道順も目的もない迷走をひたすら続けていた。 習慣の一