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HCI研究に対する私見 - CHI2024参加を終えて|稲見 昌彦 (INAMI Masahiko)
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HCI研究に対する私見 - CHI2024参加を終えて|稲見 昌彦 (INAMI Masahiko)
先日、HCI分野で最大規模の国際会議であるCHI2024に参加してきました。この機会にHCI研究に対する現状の... 先日、HCI分野で最大規模の国際会議であるCHI2024に参加してきました。この機会にHCI研究に対する現状の私見を述べたいと思います。 HCI研究の評価法として、「自分が使う/使わない、欲しい/欲しくない」という指標が話題になっています。しかし、私はこの評価法に基づく研究を否定しませんが、私自身は採用していません。なぜなら、研究の目的や立脚点、時間軸によって、評価は大きく異なるからです。私は、研究がコンセプトレイヤーなのかビジョンレイヤーなのか、現状の問題へのアプローチなのか未来に向けたオープンエンドな問いなのかで、評価軸を分けています。 ビジョンの乗り物としての研究も重要だと考えています。例えば、石井裕先生のmusicBottlesは、センシング技術としての新規性は限定的ですが、Tangible Bitsというビジョンを明快に伝えていました。すぐ役に立つかどうかだけの観点では生まれない