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言葉と本が行ったり来たり(22)『わたしに無害なひと』 – 水牛のように
八巻美恵さま 八巻さんのお手紙を受け取ったのは、ちょうど海岸沿いのハンバーガーショップでアイスティ... 八巻美恵さま 八巻さんのお手紙を受け取ったのは、ちょうど海岸沿いのハンバーガーショップでアイスティーを頼んでいるときでした。車を持つ暮らしに戻ってからは、休みの日は何冊かの本をバッグに入れて都心を後にする―それが私の楽しみです。 ちなみにその日、私が読んでいたのは『わたしに無害なひと』(亜紀書房 2020年)。出版された頃にいただいて、途中まで読んだものの放置していたチェ・ウニョンさんの短編集です(最近は、こういう半端になっている本を読み切るという「片づけ」をしています)。 八巻さんも読まれたかもしれませんが、『わたしに無害なひと』に収められている作品は、若さゆえの哀しみを描いたものが多く、読んでいるとせつなくなってしまいます。 でも、自分のことを振り返っても、いや、たぶん誰しもそうだと思うのですが、10代、20代前半ぐらいまでって、大人が考えるほどキラキラもしていなくて、むしろ、むき出し
2024/05/03 リンク