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もっとも怖かった山の怪談話 - 横浜逍遙亭
山に登るとテントで山中泊なんてことになり、真っ暗で動物のうごめく気配しかしない場所ですから、怪談... 山に登るとテントで山中泊なんてことになり、真っ暗で動物のうごめく気配しかしない場所ですから、怪談話などするのには絶好な訳です。高校生は、そういうの大好きですから、よくやりました。その中で、一番怖かった話をお教えします。そのときは6,7人が一緒でしたが、ぞーっと背筋が寒くなりました。実話を装って話す怪談とはちょっと毛色が違います。こんな話です。 佐藤さんと鈴木さんが二人で夜の山を登っているとする。辺りは月明かりでおぼろげに照らされているが、木々に邪魔されて足下さえおぼつかない。二人のヘッドライトが照らす二つのぼんやりとした空間だけが、揺れながら動き、二人の靴音だけがやけに大きく聞こえる。 そんな瞬間、前を歩いていた佐藤さんが鈴木さんに向かってかすかな薄ら笑いを浮かべながら突然こう言う。 「なぁ、鈴木、お前まだおれが本物の佐藤だと思っているのか」 これはほんとうに怖いです。別に山を歩いていなく
2007/05/15 リンク