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書評:水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、2012年。 - ujikenorio’s blog
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書評:水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、2012年。 - ujikenorio’s blog
水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、読了。働き方と社会福祉に関するオラ... 水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、読了。働き方と社会福祉に関するオランダの取り組みは、社会的「包摂」の理想とされるが、同時に「移民排除」と「移民統合(同化)」を強固に推進している。本書は対極に見える現象の背景に目を向け、社会変容を浮き彫りにする。 本書は冒頭で建国以来の伝統(「身軽な国家」と中間団体による扶助)とオランダ型福祉国家の形成を概観する。その上で、「光」(大陸型福祉国家の限界からワセナール協定、そして現在)と「影」(不寛容なリベラルというパラドクス)の経緯を追跡する。 労働や市民生活への積極的参加を要求する「参加型社会」は同時に、参加「見込みの薄い」移民を排除へと動いた。「権利」の前提としての「義務」「責任」の高調がその背景に存在する。勿論、移民・難民排除はオランダだけではない。光と影から何を学ぶのか−−。 注目したいのは「あとがき」。ポスト近代社会と