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〈あとがきのあとがき〉中江兆民の「距離」と漢文の「成熟」 『三酔人経綸問答』の訳者・ 鶴ヶ谷真一さんに聞く - 光文社古典新訳文庫
「東洋のルソー」と呼ばれた中江兆民が1887年に発表した『三酔人経綸問答』。 封建社会から近代社会に移... 「東洋のルソー」と呼ばれた中江兆民が1887年に発表した『三酔人経綸問答』。 封建社会から近代社会に移り変わっていった明治期の日本、国際的には西欧列強が東洋に進出していった時代の中で、政府、在野を問わず国を担おうとする者たちは、強い危機感をもって対外関係を考えようとしていました。 自由民権運動を通して近代化の道筋を考え実践してきた兆民も、日本がどのように国際社会の中で活動をしていけばいいのかを考える時期にありました。また、明治政府の国会開設(1890年)を前にして、変質していく自由民権運動に対しても何かをいうべき必要があったのです。 とはいっても、兆民が書きあげたテクストは決して深刻なものではありません。タイトル通り三人の酔っぱらいの対話劇が笑いを交え展開します。自由平等・絶対平和の追及を主張する洋学紳士君、軍備拡張で対外侵略をと激する豪傑君の二人の客人、そして迎えるのは両者の論争を現実主
2014/10/30 リンク