asahi.com（朝日新聞社）：フロントランナー症候群 - 経済気象台 - ビジネス・経済

「失われた２０年」を総括して、「２１世紀型産業構造への高度化という宿題をまだ片付けていない」といい、さらに「キャッチアップ型からフロントランナー型への転換を急げ」ともいう。１９８０年代の日本の産業・企業の大活躍に比べて、いささか輝きを失った現状を見れば、同感する人も多いだろう。しかし、本当にそうだろうか。冒頭のような議論は、経済学者に多いが、彼らはその解決策を示していない。いや、示せないのだ。 そもそも２１世紀型産業構造への高度化、フロントランナーへの転換とは何か。リーマン・ショック以前ならば、グローバル金融ビジネスを挙げることが多かったが、今では笑い話だろう。シリコンバレーに代表されるＩＴ産業へのシフトは、今でも根強い考え方だが、結局アメリカ・モデルへのキャッチアップ論になっているところが笑えないオチである。 窮地に陥った時、我々は改革を口にし、「フロントランナーへの転換」を呪文のよ