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フレーム問題と世界
芦田宏直 人間が行為するということのなかには、行為の主題となっているものの遂行とその主題的行為の遂... 芦田宏直 人間が行為するということのなかには、行為の主題となっているものの遂行とその主題的行為の遂行と同時に生まれる「副産物(side effect)」(D・デネット)とが含まれている。 たとえば、コーヒーを飲もうと思って、カップをソーサーから取ること、カップを口に当てて飲むこと、それらはコーヒーを飲むことの一連の主題的行為に含まれることである。 しかしコーヒーを飲むという行為は主題的連関以上のものを含んでいる。 たとえばコーヒーを飲む際に生じる音(コーヒーを飲む音)も、“コーヒーを飲む”という行為の中に含まれている。 それはコーヒーを飲むという主題的行為の「副産物」に属しているといってよい。 誰も音を出すためにコーヒーを飲んでいるわけではないからである。 この意味での「副産物」は、ほかにもある。 飲む音以外にもカップとソーサーが触れ合う音、あるいは少々大袈裟ではあるが手やカップを動かすこ