職人の父のもとで修業して村山木工を立ち上げた村山伸一さん(左から4人目)。若い従業員とともにプロダクトを開発しています 京都市右京区の村山木工は、約1400年もの間、平面でのみ継承されてきた木工の伝統技術「組子(くみこ)」を、世界で初めて立体や曲面で表現することに成功しました。創業者の村山伸一さん(60)は技術力を武器に、伝統的な木工の仕事から高級ホテルの内装などへと活躍の場を広げています。若いころは木工職人だった父の仕事を避けて音楽を志しましたが、父と同じ職人の道を歩みつつ、経営革新計画を策定し、次世代の職人の育成も兼ねた自社プロダクトの開発などにも力を入れています。 【写真特集】下請けだけじゃない 中小企業の技術がつまった独自製品 村山さんは、釘などの金具を一切使わず木材同士を組み合わせて調度品を作る木工職人「指物師(さしものし)」です。額縁専門の工房を営む木工職人の両親のもとに生まれ