原作が出た時、満開の桜の表紙と猟奇的なタイトルの不思議な組みあわせに少し心惹かれましたが、その時は結局読まず終い。ただずっと気にはなっていた作品でしたので、今夏に公開された映画をきっかけに原作の方も手を出してみました。 12年後の【僕】が物語を回想する構成を取る映画版とは異なり、原作は桜良の葬儀の場面から始まり重苦しい雰囲気が漂う幕開けです。 住野よるさんという人はもともと電撃小説大賞を目指していたらしく、本作も本来は電撃用の応募原稿だったそうですが、分量が規定を超過してしまい投稿できず、紆余曲折あって「この作品だけは誰かに読んでもらいたい」という思いから投稿サイト「小説家になろう」に投稿したという経緯があるそうです。 なので、桜良ちゃんのエロゲヒロイン的な言い回しといい、やはり本作の根底にも美少女ゲームないしラノベ的な文法構造が見て取れます。 あらすじはこうです。 クラスでなんとなく孤立