なんと腹立たしい。むかっ腹がたっている。憤慨ここに極まれり。無自覚な謙虚さに、わたしは傷付けられた。 昨日のことである。会社の若い衆と談笑していたさい気になる一言があった。 「あー、でもウチ、ふつーの家庭ですから」 ふつーの家庭。もうなんの話かも覚えていないが、このフレーズだけがあたまに残っている。ふつーの家庭。リフレインしている。ふつーの家庭。なんだそれ。当てつけか。 彼はたしか父母が健在。大卒。弟あるいは妹がいる。つまり4人家族。そしてその弟か妹も大卒。しかもふたりとも私大であったか。そして奨学金を借りていない。さらにいえば都内分譲マンション住まい。 すごい。きみのパパすごい。これが世の中のふつーの一家なのか。これは金持ち家庭ではないのか。これがふつーならばふつーという壁、たかすぎないか。 妻にこれを話したところ、同じような経験があるとのこと。 妻は有名私大に通っていた。かつてそこで出