経済産業省は16日、ネットワーク上のソフトやデータを共同利用する「クラウドコンピューティング」について、20年までに累計で40兆円超の市場創出が期待できるとする研究会の報告書を発表した。情報処理の効率化で二酸化炭素(CO2)排出量も1990年比で約7%削減できると試算、クラウドの普及を促した。 クラウドの活用が広がれば、企業は巨大な情報処理システムを持つ必要がなくなり、初期投資や管理費を削減できる。米国ではグーグルやマイクロソフトなどがサービスを提供しており、日本でも普及段階にある。報告書はクラウドの普及で、医療や介護分野で15兆円、住宅や家電で10兆円の市場が生まれるとしている。また生産性が高まり、潜在成長率を0.3%押し上げる効果もあると指摘した。 研究会は、情報技術(IT)企業の関係者や大学教授らで構成。09年7月から議論を重ねてきた。