ロシア極東のサハリン南部、元の樺太には、日本が統治していた時代に建設された建物がいまも多く残っていますが、老朽化が進んでいます。このため日本政府は戦後70年のことし、こうした建物を保存しようと、ロシア側と共同で本格的な現地調査を始めました。 一方、日本側は建物の保存を通してサハリンを巡る日本の歴史認識についてロシア側に広く知ってもらうきっかけにしたい考えです。在ユジノサハリンスク総領事館の今村朗総領事は、ソビエト軍が終戦直前に日ソ中立条約を一方的に破棄して樺太に侵攻してきたことを挙げたうえで「日本と歴史認識が違うので歴史的な遺産を保存することによってロシアの方に目を向けてもらうことが重要だ」と述べ、サハリンに残る日本の建物を保存する意義を強調しました。