「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」 二年前の五月、まいは小学校を卒業し、中学にはいったばかりだった。始まりはいつもの季節の変わり目の喘息だった。 けれど発作が起きなくなっても、まいは学校へ行けなかった。学校に行くことを考えただけで息が詰まりそうだった。 西の魔女が死んだ/梨木果歩 作/講談社 学校で居場所をなくしたまいが、自然豊かな祖母のところで癒されて元気になっていくという縦糸はすごくシンプルなストーリーです。結局は単身赴任をしていた父親のところに母親と共に行き、転校して新しい学校で登校ができるようになります。 物語は、その2年後、まいが新しい学校で友達も出来て、学校生活を順調に送っているところに、突然、祖母が亡くなったという知らせが来るというショッキングなところから始まります。こんなふうに・・・ 西の魔女が死んだ。四時間目の理科の授業が始まろうとし