2025年度末までに全国約1700の地方自治体が使うシステムの一部を標準準拠システムに移行させる「自治体システム標準化」。標準準拠システムへの移行では原則、デジタル庁が整備するパブリッククラウド基盤である「ガバメントクラウド」を利用するという方針を国が定めている。 しかし、ガバメントクラウドの利用については自治体やITベンダーなどから疑問の声が上がる。当初掲げていたコスト削減の理想との乖離(かいり)やシステム移行の複雑さを増す要素が多いためだ。 ガバメントクラウドは、2020年12月に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」の中で、国と自治体で利用する計画が公表された。2021年9月のデジタル庁の発足以降は、同庁が整備を進めてきた。 実態としては一般的なパブリッククラウドサービスとほぼ同様だが、クラウドサービス事業者(CSP)との契約の方法などが、一般のパブリッククラウドサービスの利