「ちんちん電車」と呼ぶのに相応しい形態の東京市電400型。壮年期の獅子文六も乗車しただろう。浜松町一丁目(撮影/宮松金次郎:1934年8月26日) 1960年代、都民の足であった「都電」を撮り続けた鉄道写真家の諸河久さんに、貴重な写真とともに当時を振り返ってもらう連載「路面電車がみつめた50年前のTOKYO」。今回は、路面電車が「ちんちん電車」と愛称される由来について解説しよう。 【写真】車掌台の紐を引いて運転手に合図を送る、22年前都電荒川線の車掌の姿はこちら * * * 路面電車は、手軽で便利な交通手段として庶民の生活の中にとけこんできた。市電や都電の略称の他に「ちんちん電車」という愛称で乗客から親しまれてきた。 いつのころから「ちんちん電車」と呼ばれるようになったのか、その理由(わけ)を考察した。 車掌台の紐を引いて運転手に合図を送る都電荒川線の車掌さん。「路面電車の日」に営業運