オリンピックの中継で、選手たちが金メダルを獲得してこぼす笑顔や、敗れて浮かべる涙を見ると、自分でもスポーツをプレイしてみたくなる。すぐのプレイが無理ならスポーツの雰囲気に触れたくなる。そこでフィクションの出番だ。ライトノベルやキャラクター小説などにも、意外とスポーツが題材となった作品がある。 水谷隼選手と伊藤美誠選手のペアが、混合ダブルスで金メダルを獲得した卓球においても、プレイの神髄に迫れる作品が書かれている。 攻撃に防御にスゴ技炸裂! 谷山走太『ピンポンラバー』 『ピンポンラバー』(ガガガ文庫) 卓球ほどスピーディでパワフルな球技はないのかも。そう思わせてくれる作品が、第12回小学館ライトノベル大賞で優秀賞となった谷山走太『ピンポンラバー』だ。 「音速の鳥」と呼ばれながらも怪我で挫折した飛鳥翔星という少年が、過去に敗北を喫した白鳳院紅亜に雪辱するべく、卓球エリートがひしめく私立卓越学園