ポストコロナの夏、仲間と集って楽しむバーベキューは格別だ。ただ、今年の夏は史上最も暑いという。クーラーボックスの保冷剤が想定より早く溶け、生鮮食料品が傷んでしまうトラブルも予想される。健康的にバーベキューを楽しむために、食中毒につながる思い込みや誤解を改めておこう。 食材は細菌やカビに汚染されている 高温多湿の夏は、「細菌」による食中毒の季節だ。予防原則の1つは原因菌を「つけない」こととされるが、そもそも全ての食材には、もとより目に見えない細菌やカビがついている。自然界は微生物にまみれているのだ。生鮮食品を常温で放置すれば、次第に腐ったりカビたりし始めるのは当然だ。 ただ厳密には、食中毒は「腐った食品」で起きるわけではない。腐るのは、「腐敗菌」と総称されるさまざまな細菌の働きだ。一方、「食中毒」は、国が医療機関に発生の届出を定めた、特定の「食中毒原因菌」(細菌やウイルスなど)等によって引き