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  • ファン考FANZINE; 鈴木力連載3:本当はヘンな太宰治

    ■第01回 昭和9年の『完全な真空』ごっこ-「猿面冠者」- 中学のとき以来、太宰治を愛読しているが、これまでSFファンジンなどで彼について書いたことはなかった。 理由は簡単で、太宰はSFを書いていないからだ。 管見の及ぶかぎり、太宰とSFの唯一の接点は『世界SF全集』第34巻に収められた「猿ヶ島」だけで、これもどこがSFだ、と言いたくなる内容だし、広義の幻想小説を含めても、おそらく十指に満たないと思う。 ところが、である。先日のファン交で牧眞司さんに『世界文学ワンダーランド』のお話を伺ったおり、SFファンの読みそうな現代文学、あるいは異色短篇を遺した作家という切り口なら、太宰のことを書けそうだと不意に閃いた。 人生の苦悩を描いた作家、という太宰のパブリック・イメージは、ある面において正しい。しかしそのパブリック・イメージが数多くの食わず嫌いの読者を生んできたことも、また残念ながら事実である

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