<イデオロギー対立と時代遅れの枠組みが地域内の協力を阻み、民主主義を破壊する。今や中南米各国で最大のリスクは、大統領自身だ> 10月の大統領選で4選を果たしたものの、不正疑惑をめぐる抗議デモが激化して辞任に追い込まれた南米ボリビアのエボ・モラレス大統領。反米左派の急先鋒として知られたモラレスは11月12日、同じく左派が政権を握るメキシコに亡命した。だが、左右両極に分断された中南米諸国の指導者たちは、この危機を前にしても協調するどころか、自国の支持者向けのアピールに躍起になっている。 ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、モラレスの辞任を軍事クーデターと批判し、背後でアメリカが糸を引いていると批判。メキシコやニカラグア、キューバの左派指導者もこれに同調した。さらに10月の大統領選を制したアルゼンチンの次期指導者アルベルト・フェルナンデスも、モラレスに辞任を要請した軍部を非難している。 一方