明治ホールディングス(HD)は2024年6月に約30年以上にわたって利用し続けてきたメインフレームを完全撤廃する。同社はこれまでメインフレーム上に構築してきたシステムを順次オープン系に移行してきたが、原料や包材(パッケージ)の調達システム、原価計算システムなどがメインフレームに「塩漬け」されていた。これらの移行を6月に終える。販売系基幹システムは2024年2月末にメインフレームから移行を完了した。
メインフレームは2024年4月7日(現地時間)に誕生60周年を迎えた。この“疲れ知らず”の大型コンピュータは、まだ引退の時期ではない。メインフレーム技術の終えんが間近に迫っているというのが頻繁に話題になるが、実際は異なる。 クラウドが台頭する昨今でも、なぜメインフレームはなくてはならない存在なのか。世の中での利用状況やシステムベンダーの動向、アナリストの見解を基に解説する。 クラウド時代でも欠かせないメインフレームの存在 クラウドがメインフレームの支配的地位を脅かし、人材不足も課題となる中でも、メインフレームは金融業界の要として存在し続ける。世界中の銀行における1億5000万件以上のクレジットカード取り引きの大部分をメインフレームが処理している(注1)。 ITインフラサービスプロバイダー、Kyndrylのペトラ・グード氏(コアエンタープライズおよび「zCloud」担当グローバル部門リーダー
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