無人販売所にミカンを並べる女性。柱や壁に「ありがとうございます」の言葉とともに、「心ある人は持って帰らないよね」などと悲痛な思いも記す 広島県を代表するミカン産地である呉市の安芸灘諸島で、農家が無人販売所での盗難に頭を悩ませている。代金を入れずに持ち去られる被害が続き、初めて防犯カメラを設置した農家も。「薄利多売の商品を盗まれ、それを防ぐためにカメラを付けることも負担が大きい…」。喜びの収穫シーズンでありながら、表情が曇る。
原爆慰霊碑に献花するIOCのバッハ会長(右)=16日午後1時31分、広島市中区の平和記念公園(撮影・高橋洋史) 東京五輪に合わせて来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が16日午後、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花した。被爆者と対面し、「東京五輪、パラリンピックがより平和な未来への希望の光になると確信している。五輪を通じて世界平和に貢献したい」とのメッセージを発した。核兵器の廃絶には触れなかった。 【画像】周辺では五輪反対デモ 新型コロナウイルス禍での五輪開催に賛否両論がある上、緊急事態宣言中の東京都との往来自粛を広島県が呼び掛ける中、歓迎一色にならない異例の被爆地訪問となった。東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長も同行した。 バッハ会長は平和記念公園に到着し、広島県の湯崎英彦知事、広島市の小池信之副市長の先導で慰霊碑に献花した。原爆資料館では被爆
緊急事態宣言が出て正職員は在宅勤務しているのに、非正規の私たちは出勤させられる―。広島県内の非正規労働者から「テレワーク格差」を訴える声が上がっている。出勤が嫌なら辞めろと言われたり、有休を使えと求められたり。国は出勤7割減を目指すが、「非正規」のテレワーク経験は「正規」の半分以下とのデータもある。不公平さがコロナ禍でより際立っている。 【グラフ】テレワーク、正規・非正規でどれだけ違うのか 編集局に寄せられた匿名のはがきには「出勤が嫌なら辞めろという環境。私たちにも家族がいて感染が怖いのに」とつづられていた。差出人は国の出先機関に勤める非正規公務員。在宅勤務中の職員の仕事まで負担させられ、納得がいかないという。 働き方の選択肢がないことへの不満はあちこちに渦巻く。「うちの職場も同じ」と話すのは県東部で相談員をする50代女性。正職員は分散勤務を指示されたのに、非正規への声掛けはない。抗議する
マスク着用を拒否して旅客機から降ろされた広島県呉市議の谷本誠一氏(65)が、航空会社と国を相手取り、降機命令の取り消しや20万円の損害賠償などを求めて広島地裁に近く提訴することが18日、分かった。28日に手続きをし、記者会見する予定という。 【画像】提訴する呉市議 訴状などによると、マスクを着用せずに航空機に搭乗できる権利の確認などを求めている。谷本氏は「迷惑を受けている国民のために戦い、間違いを正す」と話した。記者会見後には、一般参加者からの質問にも応じるという。 谷本氏は2月6日、北海道の釧路空港発の旅客機にマスクをせず搭乗。離陸前に客室乗務員から着用を求められたが拒み、同乗者1人と共に降ろされた。
「なぜ早く入院させてくれなかったのでしょうか」。新型コロナウイルスに感染し、自宅待機中に亡くなった60代男性の親族の一人は、中国新聞の取材に応じ、悲しみを訴えた。「持病があってハイリスクなのに、どうして画像診断をせずに帰したのか知りたい」と声を震わせた。 【経過表】男性が亡くなるまで この親族によると、14日に県立広島病院を受診した時、男性は入院を希望し、荷物を持参していた。だが約2時間後に帰宅。14日の午後9時ごろに電話すると、男性は「動かなければ大丈夫」と話していたが「ハーハー」と荒い呼吸をしていた。15日朝、亡くなっているのを見つけた同居の家族は救急車を呼んだが、病院には搬送されなかったという。 広島県健康福祉局の木下栄作局長は記者会見で、感染者の診察時の画像診断について「できるだけやっていただくお願いをしている」と説明したが、14日の診察ではしていなかった。親族は「せめて持病のある
「11月上旬にあった小学校の運動会の徒競走で順位を数えていなかった。何の配慮なんでしょうか」。広島市西区の小学校に子どもが通う30代主婦から編集局にこんな声が寄せられた。調べてみると、この学校以外にも市内の複数の小学校で同様の措置が取られていた。その意味や児童の受け止め、保護者の反応を探った。 この小学校では学年ごとに徒競走を実施。いずれも順位を付けず、ゴール付近に順位を示す旗も立てていなかった。校長は「新型コロナウイルス対応の一環。人員を確保するのが難しかったため」と理由を説明。順位ごとの案内係を取りやめるなど他者との接触機会を減らし、午前中で運動会のプログラムを終えるよう工夫したそうだ。校長によると今回の運動会は「子どもの頑張りを見てもらう『発表会』の意味合いが強かった」という。 広島市内の市立小は計141校あるが、少なくとも1割を超える15校が順位付けをしていなかった。東区の小学校で
斉藤鉄夫国土交通相(広島3区)は12日の記者会見で、JR西日本が同社単独で路線の維持が困難とした中国地方の芸備線や山陰線など17路線30区間の収支を初めて公表したことを受け、利用者数だけをものさしにJR西が地元自治体と維持費負担などの協議に入ることに懸念を示した。 1キロ当たりの1日平均乗客数を指す輸送密度が新型コロナウイルス禍前の2019年度に2千人未満だった路線を、JR西が公表対象とした点を疑問視。鉄路を取り巻く現状は路線ごとに異なるため、「輸送密度で一律に取り扱うことは適当でない」と指摘し、「通勤や通学、観光など各路線の実態を地域と共有して対話を進めることを期待している」とJR西に求めた。
プロ野球の広島東洋カープの黄金期にエースとして活躍し、球団初の200勝投手となった野球解説者の北別府学(きたべっぷ・まなぶ)さんが16日、広島市内の病院で死去した。2020年1月、血液がんの一種である成人T細胞白血病(ATL)を公表し、5月に次男の骨髄を移植する手術を受けた。昨年6月には敗血症の発症を明かし、闘病生活を続けていた。65歳。鹿児島県出身。 <関連記事>北別府学さん、写真で振り返る栄光の野球人生 <関連記事>カープが生んだ200勝投手、北別府学さんの足跡~中国新聞の記事から 宮崎・都城農高からドラフト1位で1976年に入団。「精密機械」と評された制球力と投球術で、78年から11年連続で2桁勝利をマークし、投手王国をけん引。5度のリーグ優勝と3度の日本一を支えた。 79年はチーム最多の17勝をマークし、球団初の日本一に貢献。82年は自己最多の20勝を挙げ、沢村賞と最多勝に輝いた。
「娘が小学校に持っていく水筒に『氷を入れてはいけない』と、学校から言われています。暑くなると冷たい方がいいと思うけど…。謎のルールに、もやっとします」。こんな意見が広島市安佐南区の母親(51)から編集局に届いた。市教委は特にルールを定めておらず、学校によって判断が違うようだ。なぜ、学校は氷を入れてはいけないと言うのだろう。 【画像】「水筒に氷はNG」保護者の意見・学校の意見 この母親に、小学校が保護者に出したプリントを見せてもらった。確かに「お茶は凍らせない(氷も入れない)」とある。理由は書かれていない。母親は「学校に理由を聞いても明確な答えがない。娘は氷が好きだから入れたがりますけど」と笑う。 市内の公立小141校のうち、児童が多い10校(2021年5月1日現在)に尋ねてみた。氷入りを禁じているのは2校、「水筒持参の場合は凍らせないで」と呼びかけているのが1校。ある学校は「急に冷たいもの
【ワシントン中川雅晴】バイデン米大統領との会談で、日本の防衛費の大幅引き上げを伝えた岸田文雄首相。9代目会長を務める自民党派閥の宏池会は、先の大戦を教訓に軽武装を志向するハト派とされた。宏池会出身の歴代首相のスタンスや防衛費の変化をたどると、岸田政権の防衛力強化の速さと増額幅が際立つ。中国の動向を念頭に安全保障で米国との一体化が進み、かつての派閥の理念から遠のきつつある。 池田勇人氏「最小限度に」 宏池会初代会長で広島県竹原市出身の池田勇人氏は「軽武装・経済重視」で高度成長を実現した。1960~64年の首相在任中、防衛力整備計画を巡る国会審議で「自衛力については国民経済その他、万般の点を考慮して最小限度にとどめたい」と答えている。防衛費は2千億円前後だった。 防衛力だけでなく、外交や経済など「非軍事」を生かして平和と安定を図る考えを提唱したのは、宏池会3代会長の大平正芳氏。78~80年に首
寺田稔前総務相の関係する政治団体「寺田稔竹原後援会」(広島県竹原市)が会計責任者として故人を政治資金収支報告書に記載していた問題で、東京地検が捜査に乗り出すことが21日、関係者への取材で分かった。政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで、寺田氏ら関係者を任意聴取し、起訴か不起訴を判断するとみられる。 政治資金規正法を所管していた総務相経験者が「政治とカネ」問題で捜査対象になるのは極めて異例。捜査のメスが入れば、岸田政権への批判は一層強まるのは必至だ。 竹原後援会は2019、20年の収支報告書に、19年10月に亡くなった男性を会計責任者として記載。添付された宣誓書には、この男性の印鑑も押されていた。 寺田氏は国会で「私が代表の団体ではなく、事務処理の詳細を承知していない」と答弁し、関与や責任を否定。「事務的な連絡ミスで事務を行う者に(死亡が)伝わっていなかった」と説明していた。20日の辞表提出
参院議員の河井案里容疑者(46)が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公選法違反容疑で逮捕された夫で元法相の克行容疑者(57)=衆院広島3区=が地方議員らに金を渡す際、一部に「安倍さんから」として安倍晋三首相(自民党総裁、衆院山口4区)の名前を出していたことが24日、分かった。案里容疑者の後援会長を務めた広島県府中町の繁政秀子町議(78)が証言した。 繁政町議は中国新聞の取材に、参院選公示前の昨年5月、克行容疑者から白い封筒に入った現金30万円を渡されたと認めた。現金を受け取った理由について、自民党支部の女性部長に就いており「安倍さんの名前を聞き、断れなかった。すごく嫌だったが、聞いたから受けた」と振り返った。 繁政町議によると、克行容疑者が現金を差し出したのは、案里容疑者が参院選前に広島市中区へ設けた事務所だった。克行容疑者から呼ばれ、2人きりになった時に白封筒を示され
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、離婚危機に陥るケースが出始めている。もともと感じていた性格や価値観の不一致が、家にいる時間が長引くことで表面化し、夫婦関係の破綻につながっているようだ。 不織布マスクの「上と下」「裏と表」の見分け方 5月下旬、広島市南区の40代女性は離婚届を出し、約10年の結婚生活を終えた。「娘が生まれた4年ほど前から違和感があった。離婚は時間の問題だったけど、コロナが決定打になりました」と振り返る。 自営業の元夫は、これまでは月の半分が県外出張で不在だったが、新型コロナの影響が出始めた2月ごろから仕事が減った。家にいることが増えたのに、幼い3人の子どもの面倒は見ない。外に連れ出して遊ぶことも一切なかった。 自室にこもって休業補償について調べるか、趣味のゲームに没頭する日々。夜7時から翌朝5時まで画面に向かう。手を止めるのは夕食の間だけで、子どもが近づくと「ゲ
島根県は14日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向け、感染者が長時間利用していた松江市内のインターネットカフェ1店舗に、新型コロナウイルス特措法45条2項に基づく休業要請をし、ホームページなどで店名を公表した。パチンコ店以外の店名の公表は全国で初めて。 立体マスクの作り方【動画】 記者会見した丸山達也知事は「多くの人が利用する施設で、感染症のまん延につながる可能性が高い。休校の延長など県民生活にも混乱が生じており、法に基づく権限を行使した」と説明した。45条の休業要請の権限は、緊急事態宣言の対象地域の知事に限られるため、宣言の解除を受けて失効となる。 同店は、2日に感染が判明した市内の40代男性が発症前に訪れた。松江保健所が従業員や客のPCR検査などを求めたが応じなかったため、県が9日に特措法24条9項に基づき、10~31日の休業を要請。14日正午時点で営業を続けており、45条の要請に
山口県や山口市の複数の幹部職員らが、衆院選前に自民党の林芳正外相の後援会に入会するよう部下を勧誘したとされる問題で、小松一彦副知事も山口県警や山口地検から聴取されていることが21日、分かった。組織的になされた可能性もあり、捜査当局は公選法違反などを視野に、部下に働き掛けた時期や態様を慎重に捜査しているとみられる。⇒【続報】副知事23日にも書類送検 小松氏は中国新聞の取材に対し、捜査当局からの事情聴取の事実を認めた上で「捜査段階なので何もコメントできない。司法手続き中なので、それを待ってから答えたい」と述べた。 複数の関係者によると、県や市の幹部職員は10月の衆院選公示前、立候補予定だった林氏の後援会入会申込書が入ったリーフレットを渡し、それぞれの部下に名前や住所を記入して後援会に入るよう持ち掛けた疑いが持たれている。 公選法では、公務員の地位を利用した選挙運動を禁止。後援会への勧誘も禁止行
米軍による広島、長崎への原爆投下から今年で77年。核兵器の非人道性を証言してきた被爆者が高齢化し減少する中、その惨禍を記録した写真の役割は増している。撮影者の「あの日」の体験や、写された街や人の被害をたどり、その意味を見つめ直す。 【写真】顔にやけど 被爆者の姿 「こんなのを写真に写さにゃいけんのかな、思いまして。命令とはいえあんまり残酷じゃないかと」。尾糠政美さん(2011年に89歳で死去)は自らも被爆した翌日、被爆者のむごたらしい姿を記録に残した。決して自ら望んだわけではない。軍の命令による苦渋の撮影だった。 23歳だった尾糠さんは、陸軍船舶司令部の写真班員だった。1945年8月6日、広島湾に面した宇品町(現広島市南区)の司令部で朝礼中に被爆した。帰宅命令を受けていったんは司令部を離れたが、市内に住む母マキノさん=当時(60)=は見つけられず、より市中心部に近い姉宅には猛火で近づけない
1945年8月6日、米軍の爆撃機が人類史上初めて、都市に原爆を投下した。「約14万人」は、早い時期の広島原爆の犠牲者数とされるが推計値にすぎず、「±1万人の誤差がある」とも言われる。街全体が壊滅し、死者の把握もままならなかった。一人一人の犠牲者、焼け落ちた街並み、断ち切られた日常…。歴史に埋もれた「ヒロシマの空白」と、75年後の今、向き合いたい。 【写真特集】被爆75年の8・6 原爆がさく裂した直後、爆心地付近の地表は3千~4千度に達したとされる。鉄が溶けるよりも高い温度。たった一発で、おおよそ半径2キロが焼かれ、市内は文字通りの地獄絵図となった。夫を失った女性は、75年後の今も、愛する人の遺影とともに生きている。
2021年産のコメ価格が値崩れしている。JAグループが農家から買い取る価格は東日本を中心に60キロ当たり8千円を切るケースも出てきた。中国地方でも銘柄によっては1万円を割り込む。全国的に前年比2~3割減の「暴落」ぶりだ。 食生活の多様化でコメ消費が減り続け、コロナ禍による外食需要の落ち込みが追い打ちを掛けているという。外食で使う、価格の安い業務用米の下落が特に目立つようだ。 茶わん一杯のご飯が10円ほどにしかならない。コメの価格は40年前よりもむしろ安くなっている。 農家はやっていけないだろう。それでも消費者はさらなる価格低下を求めるだろうか。コメ作りと農家のあるべき姿をあらためて考え直さなくてはならない。 低価格は経済原理を度外視した生産構造にある。広島県の平均的な作付面積(1・3ヘクタール)で試算すると、コメ農家の経営の厳しさに驚く。 収穫量は多くて7トン。60キロ1万円で売れれば収入
新型コロナウイルスの感染が全国で急激に拡大する中、鳥取県は感染確認数を全国最少、人口比でも最少クラスに抑え、死者も島根県と並びゼロを続ける。早期検査などの取り組みについて、全国知事会の緊急対策本部長代行や政府分科会メンバーも務める平井伸治知事に聞いた。(小畑浩) ▽即時入院、死者ゼロに貢献 ―新型コロナに、どのように対応してきましたか。 鳥取県は中国5県で最も医療態勢が脆弱(ぜいじゃく)で、重症化しやすい高齢者も多い。危機感から医師会や看護協会に頭を下げ、貴重な備蓄のマスクを提供した。対応病床数や、PCR検査可能数を人口当たりで全国でも多い水準に増やした。1日120検体だった検査可能数は、今は約4800検体だ。 11月に始めた、かかりつけ医による診療・検査医療機関は、9割に引き受けてもらった。小さな県の特徴を生かして結束できた。 ―検査強化については。 陽性者が見つかれば、初動で検査をロー
JR芸備線の上下線の列車が備後落合駅に到着すると、多くの乗降客でごった返した(24日午後2時26分、庄原市) 22日からの4連休にJR芸備線の利用客が急増し、混雑している。JR西日本が庄原市内など一部区間について、今後の運行の在り方を検討するよう沿線自治体に求め、鉄道ファンの間で「廃線」への危機感が高まったためとみられる。 「多くのお客さまが利用するため、列車にご乗車できない恐れがあります」。24日、東城駅ではこんなアナウンスが流れた。備後落合駅でも芸備線と木次線に乗り換えるため、乗客がごった返した。JR西日本岡山支社によると、連休初日の22日には、午後1時2分新見発備後落合行きの普通列車が新見駅で満員になり、同駅で複数人の積み残しが発生したという。 ▽座席に座れないほど…
広島東洋カープナインが地元の飲食店を手助けした。25日のマツダスタジアムでの練習後、土生翔平スコアラーが昼食のため球場付近にあるなじみの弁当店へ。そこで直前に78食分のキャンセルが出たことを聞き付けると、岩本貴裕スコアラーに相談し、ロッカールームで帰る準備をする選手に連絡。希望者を募り、キャンセル分の多くを購入した。 【ランキング】後半戦巻き返しのキーマンは? 60代の女性店主によると、約束の時間より20分以上、弁当が出来上がるのが遅れたため、キャンセルされたという。野間峻祥は、唐揚げにマヨネーズがかかった弁当を3つ手に持ち、帰宅した。「1つは帰ってからすぐ食べて、残り2つは明日までに」と笑顔。女性店主は「選手は家でごちそうが食べられるはずなのに、うちの弁当を食べてくれて、本当にありがたいです。西川(龍馬)さんは12食分買ってくれた」と目を潤ませていた。
オンライン生活に欠かせないコンテンツとして、存在感を増している動画共有サービス「ユーチューブ」。映像を投稿して収入を得るユーチューバーも注目され、テレビよりよく見るという若い世代は多い。誰かがご飯を食べる姿や何げない日常生活など、これまでにないジャンルも登場。何がそんなに面白いのか―。ユーチューブが生活に溶け込む若者たちに会った。 【グラフ】主なソーシャルメディア系サービス、利用多いのは ある日は唐揚げ、別の日はえびフライ。タルタルソースやマヨネーズをたっぷり付けて、口いっぱいに頬張る。タブレット端末の画面には延々と、食べっぷりのいいユーチューバーの姿が映し出される。カロリーも気にせず、一心不乱にぱくぱく、もぐもぐ。 1人暮らしの部屋で、その画面を楽しそうに眺めるのは、広島県西部の女子学生(20)だ。「人のおいしそうな表情を見ると、幸せな気持ちになるんですよね」。食事風景を配信する「モッパ
先進7カ国(G7)の首脳たちが19日に合意した「広島ビジョン」は、サミットでは初の核軍縮に特化した文書だ。それ自体は評価すべきだが、肝心の中身は自分たちの核保有・核依存を堅持したに等しく、被爆地広島にとって受け入れがたい。 広島ビジョンは岸田文雄首相がかねて説く「77年間に及ぶ核兵器の不使用の記録の重要性」を強調。G7首脳を含む20カ国・地域(G20)が「核兵器の使用と脅しは許されない」とした昨年の「バリ首脳宣言」を想起するとした。その上で「ロシアのウクライナ侵略の文脈」で、核使用の威嚇を非難する。 核のどう喝に走る国を指弾するのは当然だが、G7メンバーの米英仏の核は不問に付している。4月のG7外相会合を踏襲し、核兵器は「防衛目的のために役割を果たし、戦争および威圧を防止すべき」と主張。核兵器は役に立つ、核抑止は必要―。そう再確認した形だ。 また、岸田首相が昨年発表した「ヒロシマ・アクショ
記者の母校の学食が40年以上の歴史を閉じた。うどん170円、カレー260円…。安くておいしい青春の味。卒業して約20年。愛着があるのは立派な校舎より、3年間ほぼ毎日通った食堂だ。全国でも学食が姿を消していると聞く。事業者の経営悪化で学校寮の食事が突然停止するトラブルも起きた。どうしたら「持続可能な学食」が実現するのだろう。無料キャンペーンや看板メニュー、交流サイト(SNS)での発信など工夫を重ねる現場を訪ねた。 【写真】学食経営「利益ゼロ」も 0円となった所得金額を示して「経営努力だけではどうしようもない」と訴える、広島県内の高校の食堂の元経営者 一時しのぎでなく「食のインフラ」守る 午後0時半。昼休憩のチャイムが鳴り生徒が続々と食堂へ向かう。舟入高(中区)で今月2日に始まった「学食に行こうキャンペーン」。PTAが予算を組み、来年1月までクラスごとに1回分の食事を無料提供する。 初日は和風
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