さてはキノボリネズミの仕業だな、とぼくは思った。このところ、体長5センチほどの可愛らしいキノボリネズミが、夜中、家の中をチョロチョロと無音で駆け回っていたからだ。(第60回で紹介) 「ギリギリまで皮だけをキレイに食べるな~、そんなに皮が好きなんや~」と関心。それならと、同じ箱にバナナの皮だけを「餌用」に入れておくことにした。 しかし翌日、目の当たりにしたのは想定外の光景だった。 日の入り過ぎの6時過ぎ、バナナの皮の入った段ボールへと向かっていたのはなんと、ネズミよりもはるかに小さな生きもの、ハキリアリだった。 体長は5ミリほど。よく見ると、バナナの皮の小さな断片をアゴにくわえている。そうか! 昨晩バナナの皮をかじったのはアリたちだ。