むらせ・ゆきひろ/1941年愛知県生まれ。1964年に東京教育大学(現筑波大学)を卒業、私立和光高等学校保健体育教諭に。1989年同校を退職。その後、2015年まで一橋大学、津田塾大学などで「ヒューマンセクソロジー」を教える 80歳の村瀬さんは忙しい毎日を送っている。この7月にも立教池袋中学校・高等学校(東京都豊島区)の招きに応じて、「なぜ性教育が必要か」を教職員向けに講演した。 村瀬さんは2020年に共著『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』を出版した。現在までに23万部を発行するベストセラーとなっている。 ――なぜこれほどヒットしたと思われますか。 「この数年で、私の本のほかにも、性教育の本が相次いで刊行されました。ニーズが高まっていることは明らかなのに、学校教育がまともに応えられていないことが(ヒットの)背景にあると思います。一生懸命やっていらっしゃる先生