武田信玄はなぜ遠江に侵攻してきたのか−。浜松市博物館は、九月まで開いているテーマ展「家康伝承と浜松」でその手掛かりとなる信玄の書状の展示を始めた。大河ドラマ「どうする家康」ではこれから三方ケ原の戦いが描かれる予定で、物語の予備知識を得ることができそうだ。 (木造康博) 書状は、三方ケ原の戦いの直前の一五七二(元亀三)年十月に、愛知県奥三河の国衆奥平道紋(どうもん)(定勝)宛てに書かれたもの。道紋が武田方に付いて忠節を尽くすことを賞しているほか、高天神城(掛川市)の城主だった小笠原氏を降伏させ、天竜川を越えて浜松に向かうことを伝えている。