「文房具買うにも申請書」 紙だらけのフジッコ、”紙とハンコの撲滅”どう実現した:業務のムダ改革(1/2 ページ) フジッコのオフィスは、紙で溢(あふ)れかえっていた。「フジッコのおまめさん♪」というCMのフレーズで有名な、豆製品と昆布製品の食品メーカー。その社内では月に何千枚もの紙が飛び交い、文房具一つ買うにも紙の申請書を要した。全国に7拠点ある同社の工場では、1日で2600枚もの紙を消費している。 紙の情報を担当者が社内システムに転記するという運用に加え、生産現場では誰がどう作ったかも分からないエクセルを使ってデータ管理をしていた。計算式はブラックボックス化していたため、誰もメンテナンスできなかった。強い課題感はあったものの、変えることのコストは大きい。優先度は高いが緊急度が低く、着手しにくい問題と化していた。 しかし、トラブルが起きてからでは遅い。福井正一代表取締役社長執行役員が旗振り