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文豪の検索結果41 - 80 件 / 99件

  • 文豪スイング 久米正雄『熊』出だしだけ - 素振り文武両道

    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 熊に出くわしたことはないですが、早く冬眠して欲しいです。 久米正雄さんの『熊』を読みながらバットを振りました。出だしだけです。 青空文庫より。 『熊』 久米正雄, 北海道で生れた私の友達が、或日私の近所の子供たちの前でこういう熊の話をして行きました。 一 熊といいますと、いうまでもなく恐しい猛獣ですが、熊だって何も好き好んで人を殺すのではありません。人が熊を恐しがるように、矢張熊の方でも人が恐いのです。そして人が来るのを知れば、熊の方で先まず逃げてくれるのです。けれども両方がふいに出合うか、どうしても顔を合せる外ほか仕方のないような路みちででも出合うと、熊も絶体絶命になって、激しく襲い掛るのです。 12行にして、1行を5回ずつ、【言って振り】ました。 熊といいますと恐しい猛獣ですが、 熊だって好き好んで 人を殺すのではあ

      文豪スイング 久米正雄『熊』出だしだけ - 素振り文武両道
    • 文豪スイング 江戸川乱歩『黒蜥蜴』 - 素振り文武両道

      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」色の2回目。 『黒トカゲ』の出だしです。 青空文庫より。 江戸川乱歩,『黒蜥蜴』出だしだけ。 この国でも一夜に数千羽の七面鳥がしめられるという、あるクリスマス・イヴの出来事だ。 帝都最大の殷賑地帯、ネオン・ライトの闇夜の虹が、幾万の通行者を五色にそめるG街、その表通りを一歩裏へ入ると、そこにこの都の暗黒街が横たわっている。 6行にしました。1行5回ずつ 【言ってバットを振り】ました あるクリスマス・イヴの出来事。 帝都最大の殷賑(いんしん)地帯、 ネオン・ライトの闇夜の虹が、 幾万の通行者を五色にそめるG街、 表通りを一歩裏へ入ると、 暗黒街が横たわっている。 コトバンクより引用, いん‐しん【殷賑】 〘名〙 (形動)非常ににぎやかで活気に満ちていること

        文豪スイング 江戸川乱歩『黒蜥蜴』 - 素振り文武両道
      • 文豪スイング 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』出だしだけ - 素振り文武両道

        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 今日、と言っても9/21は、 宮沢賢治さんの命日とのこと。 ちょうど90年です。 ということで『或る農学生の日誌』 を読みながらバットを振りました。 出だしだけです。 青空文庫より。 『或る農学生の日誌』 宮沢賢治 序 ぼくは農学校の三年生になったときから今日まで三年の間のぼくの日誌を公開する。どうせぼくは字も文章も下手だ。ぼくと同じように本気に仕事にかかった人でなかったらこんなもの実に厭な面白くもないものにちがいない。いまぼくが読み返かえしてみてさえ実に意気地なく野蛮なような気のするところがたくさんあるのだ。 とスタートで、日誌が公開されて行くというわけです。 10行の箇条書きにして、 1行5回ずつ【言って振り】ました。 農学校の三年生になったときから、 今日まで三年の間の ぼくの日誌を公開する。 どうせぼくは字も文章

          文豪スイング 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』出だしだけ - 素振り文武両道
        • 文豪スイング オー・ヘンリー『賢者の贈り物』出だしだけ - 素振り文武両道

          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 文豪の作品の出だしを言いながら、バットを振るシリーズです。 青空文庫より引用。 『賢者の贈り物』 オー・ヘンリー 作 結城 浩 訳 1ドル87セント。それで全部。しかもそのうち60セントは小銭でした。 小銭は一回の買い物につき一枚か二枚づつ浮かせたものです。乾物屋や八百 屋や肉屋に無理矢理まけさせたので、しまいに、こんなに値切るなんてとい う無言の非難で頬が赤くなるほどでした。デラは三回数えてみました。でも やっぱり1ドル87セント。明日はクリスマスだというのに。 10行にして【言って振り】ました。 10回ずつ繰り返し。 10×10=100で、100本の素振りでした。 1ドル87セントで全部。 しかも60セントは小銭。 小銭は一回の買い物につき、 一枚か二枚づつ浮かせたもの。 乾物屋や八百屋や肉屋に、 無理矢理まけさせた

            文豪スイング オー・ヘンリー『賢者の贈り物』出だしだけ - 素振り文武両道
          • 文豪スイング エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人事件』 - 素振り文武両道

            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 10月7日は「ミステリー記念日」で、 エドガー・アラン・ポーさんの亡くなられた日だそうです。 ということで、 『モルグ街の殺人事件』を読みながらバットを振りました。 『モルグ街の殺人事件』途中から, エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳 一八――年の春から夏にかけてパリに住んでいたとき、私はC・オーギュスト・デュパン氏という人と知合いになった。この若い紳士は良家の――実際に名家の出であったがいろいろ不運な出来事のために貧乏になり、そのために気力もくじけて、世間に出て活動したり、財産を挽回ばんかいしようとする元気もなくしてしまった。それでも、債権者たちの好意で、親ゆずりの財産の残りがまだ少しあったので、それから上がる収入でひどい節約をしながらどうかこうか生活の必需品を手に入れ、余分なもののことなど思いもしなかった。唯一の

              文豪スイング エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人事件』 - 素振り文武両道
            • 文豪スイング 宮沢賢治『ツェねずみ』 - 素振り文武両道

              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 文豪、宮沢賢治の『ツェねずみ』を読みながらバットを振りました。 出だしだけです。 青空文庫より。 『ツェねずみ』 宮沢賢治 ある古い家の、まっくらな天井裏に、「ツェ」という名まえのねずみがすんでいました。 ある日ツェねずみは、きょろきょろ四方を見まわしながら、床下街道を歩いていますと、向こうからいたちが、何かいいものをたくさんもって、風のように走って参りました。そしてツェねずみを見て、ちょっとたちどまって早口に言いました。 「おい、ツェねずみ。お前んとこの戸棚の穴から、こんぺいとうがばらばらこぼれているぜ。早く行ってひろいな。」 ツェねずみは、もうひげもぴくぴくするくらいよろこんで、いたちにはお礼も言わずに、いっさんにそっちへ走って行きました。ところが戸棚の下まで来たとき、いきなり足がチクリとしました。そして、「止まれ、

                文豪スイング 宮沢賢治『ツェねずみ』 - 素振り文武両道
              • 文豪スイング 沖野岩三郎『熊と猪』 干支にちなんだ動物シリーズラスト - 素振り文武両道

                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 干支の動物にちなんだ 文学を読んで、 バットを振って来ました。 今日は「猪」で このシリーズラストです。 父、佐次兵衛さんと、 子、京内(きょうない)くんとの、 やり取りです。 青空文庫より。出だしだけ。 『熊と猪』沖野岩三郎。 紀州の山奥に、佐次兵衛といふ炭焼がありました。五十の時、かみさんに死なれたので、たつた一人子の京内きやうないを伴つれて、山の奥の奥に行つて、毎日々々木を伐きつて、それを炭に焼いてゐました。或日の事京内は此んな事を言ひ出したのです。 「お父さん、俺おれアもう此んな山奥に居るのは嫌いやだ。今日から里へ帰る。」 《後略》 次の桃色の字12行を【言いながら、バットを振り】ました。 1行5回ずつ繰り返し。 佐次兵衛は50でかみさんを亡くす。 毎日子供の京内と山奥で木を伐る。 ある日京内は里へ帰ると言い出す

                  文豪スイング 沖野岩三郎『熊と猪』 干支にちなんだ動物シリーズラスト - 素振り文武両道
                • 文豪スイング 芥川龍之介『本所両国』 - 素振り文武両道

                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪スイングをしました。 日本を大きく分けると、 北海道、本州、四国、九州です。 今日は本州の「本」 で始まるタイトルの 小説を読みながら、 バットを振りました。 青空文庫より引用。 芥川龍之介 『本所両国』 僕は本所界隈のことをスケッチしろという社命を受け、同じ社のO君と一しょに久振りに本所へ出かけて行った。今その印象記を書くのに当り、本所両国と題したのは或は意味を成していないかも知れない。しかしなぜか両国は本所区のうちにあるものの、本所以外の土地の空気も漂っていることは確かである。 8行にしてバットスイング。 1行を【言って1振り】して、 5回ずつ繰り返しました。 本所界隈をスケッチしろとの社命。 同じ社のO君と一しょに本所へ。 その印象記を書くのに当り、 本所両国と題したのは 意味を成していないかも。 しかしなぜか

                    文豪スイング 芥川龍之介『本所両国』 - 素振り文武両道
                  • 文豪スイング 村山籌子『兎さんの本屋とリスの先生』 兎にちなんだ文豪の文章です。 - 素振り文武両道

                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 これまで子、丑、寅にちなんだ文豪の文章でバットを振ってきました。 なので、今日は「卯」にしました。 青空文庫より、出だしだけ。 『兎さんの本屋とリスの先生』 村山籌子(むらやま かずこ) あるところに大変そそつかしい本屋さんがありました。兎うさぎさんです。ある日、お店へ本が来ましたので、フロツクコートを着て、鼻眼鏡をかけて、ステツキを持つて、その本を小脇こわきにかかへて(人間から見るとおかしいですが、兎の本屋さんはこんなものです)売りに出かけました。 森の入口で、リスさんに会ひました。大変悧口りこうさうなひげを生やしたリスさんですから、本を買つてくれるだらうと思つて「リスさん、本を買つて下さい。私はりつぱな本屋さんです」といひました。 10行にして、バットを振りました。5回ずつ繰り返しました。計50振りでした。 ウサギの

                      文豪スイング 村山籌子『兎さんの本屋とリスの先生』 兎にちなんだ文豪の文章です。 - 素振り文武両道
                    • 文豪スイング 北大路魯山人『沢庵』第1回 - 素振り文武両道

                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 沢庵は好きですか? 北大路魯山人さんの『沢庵』を読みながらバットを振りました。 青空文庫より。 たくあんの話をしてみよう。 今日食べたたくあんは、加賀の山代(やましろ)でできたものである。わたしの知っているかぎりでは、山代産のたくあんが一等よいものだと思う。これは、だいこんが寒国でできたことが主なる原因だが、 (つづく) 素振りの時にセリフを言うのですが、次の3行の文章です。 【魯山人さんの知る限りでは】 【山代産のたくあんが一等よい】 【大根が寒国でできたことが原因】 10回ずつ【言う振る】を繰り返し、30本の素振りでした。 意外と知られたことですが、プラスチックが石油からできているように、沢庵は大根からできているんですね。 本日の素振り文武両道の概要。 2023/06/07 素振りの本数 : 140 本, 文武両道ス

                        文豪スイング 北大路魯山人『沢庵』第1回 - 素振り文武両道
                      • 文豪スイング 新美南吉『和太郎さんと牛』 - 素振り文武両道

                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 えーっと、干支の順序に従い、 以前『ツェねずみ』で、バットを振りましたが、 今回は「牛」の小説です。 次回は「虎」の予定です。 青空文庫より。出だしだけ。 『和太郎さんと牛』 新美南吉 牛ひきの和太郎さんは、たいへんよい牛をもっていると、みんながいっていました。だが、それはよぼよぼの年とった牛で、おしりの肉がこけて落ちて、あばら骨も数えられるほどでした。そして、から車をひいてさえ、じきに舌を出して、苦しそうにいきをするのでした。 「こんな牛の、どこがいいものか、和太はばかだ。こんなにならないまえに、売ってしまって、もっと若い、元気のいいのを買えばよかったんだ」 と、次郎左エ門もんさんはいうのでした。 12行にして、1行5回ずつ繰り返し【言って振り】ました。 60の素振りでした。 和太郎は良い牛をもっている、 と、みんなが

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                        • 文豪スイング 岸田國士『緑の星』 - 素振り文武両道

                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振ってます。 今日は「緑」です。 青空文庫より引用。出だしだけ。 岸田國士(きしだ くにお) 『緑の星』 ヨーロッパ通ひの船が印度洋をすぎて、例の紅海にさしかかると、そこではもう、太古以来の沙漠の風が吹き、日が沈む頃には、駱駝の背越しに、モーヴ色の空がはてしなくつづくのが見える。 その時、海の旅にあきた誰れかれの眼に、きまつて妖あやしく映るのは、地平線のうへに、次ぎから次ぎへと湧きでる、あの星ともいへぬ星、ひとつひとつが胸飾りのやうに鮮明な、エメラルドの星のまたたきである。 8行にしました。そして、 1行5回ずつ繰り返し 【言って振り】ました。 船が紅海にさしかかるそこには、 太古以来の沙漠の風が吹く。 日が沈む頃、駱駝の背越しに、 モーヴ色の空が続く。 その時、眼に映るのは、 地

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                          • 文豪スイング 大倉燁子おおくらてるこ 『黒猫十三』くろねことみ - 素振り文武両道

                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」の4回目。 大倉燁子(おおくら てるこ) 『黒猫十三』(くろねこ とみ) 青空文庫より引用。出だしだけ。 本庄恒夫と辰馬久は篠突く雨の中を夢中で逃げた。体を二つにへし折り、風に追われながら、夜の市街をひた走りに走った。その時、一緒に馳けていた辰馬久が、ふいと身をかわして横町へ折れた。続いて曲ろうとした途端、本庄は行手の暗がりから、ぬッと出て来た大男が、辰馬の後を飛ぶ如く追跡するのを見た。 「危い! 捕りやしないか?」 ぎょッとして思わず心で叫びながら、立ち縮すくんだ。辰馬に誘われ、初めて行ってみた賭場とばに運悪く手入れがあって、二人は命からがらここまで落ちのびて来たのである。 コトバンクより引用。 しの【篠】を 突(つ)く。 篠を突き立てるように、大粒の

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                            • 文豪スイング ペロー『青ひげ』を読みながらバットを振りました。 - 素振り文武両道

                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 青色にちなんだ小説を読んで、 バットを振りました。 青空文庫より引用。出だしだけ。 ペロー, 楠山正雄訳, 『青ひげ』 むかしむかし、町といなかに、大きなやしきをかまえて、金の盆ぼんと銀のお皿さらをもって、きれいなお飾かざりとぬいはくのある、いす、つくえと、それに、総金そうきんぬりの馬車までももっている男がありました。こんなしあわせな身分でしたけれど、ただひとつ、運のわるいことは、おそろしい青ひげをはやしていることで、それはどこのおくさんでも、むすめさんでも、この男の顔を見て、あっといって、逃げ出さないものはありませんでした。 10行にして、1行5回ずつ 【言って振り】ました。 町と田舎に大屋敷、 金の盆と銀の皿、 縫い箔の椅子と机、 総金塗りの馬車を持つ男があった。 こんな幸せな身分でしたが、 運の悪いことは、 恐ろし

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                              • 文豪スイング 宮沢賢治『注文の多い料理店』出だしだけ - 素振り文武両道

                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【200】バットを振りました。 『注文の多い料理店』の出だしを読みながらバットを振りました。 青空文庫より。 『注文の多い料理店』 宮沢賢治 二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二ひきつれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。 「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣けものも一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」 10行を言いながらバットを振りました。 10回ずつ繰り返し、100素振りでした。 二人の若い紳士が、 イギリスの兵隊のかたちをして、 白熊のような犬を二ひきつれて、 山奥の葉のかさかさしたとこを、 あるいておりました。 「ここらの山は怪しからんね。 鳥も獣も一疋も居やがらん。

                                  文豪スイング 宮沢賢治『注文の多い料理店』出だしだけ - 素振り文武両道
                                • 文豪スイング 高村光太郎『山の秋』出だしだけ 駄洒落クイズあり - 素振り文武両道

                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 10月3日は「登山の日」 もう4日になってしまいますが。 今日は高村光太郎の『山の秋』を読みながら、バットを振りました。 青空文庫より。 『山の秋』高村光太郎 山の秋は旧盆のころからはじまる。 カッコーやホトトギスは七月中旬になるともう鳴かなくなり、何となく夏らしい勢が山野に見えなくなってしまい、たんぼの稲穂がそろそろ七月末にはきざしてくる。稲穂の育ってくる頃、山や野にツナギという恐ろしいアブが雲のように出て人馬をなやます。山に入る人は肌をすっかり布でつつんでそのアブにさされるのを防ぐが、馬なども木につながれた縄をふりきってそのアブから逃げる始末 10行にしてバットを振りました。 1行【言って振る】を5ずつ繰り返し、50本の素振りでした。 山の秋は旧盆のころからはじまる。 カッコーやホトトギスは、 七月中旬には鳴かなくな

                                    文豪スイング 高村光太郎『山の秋』出だしだけ 駄洒落クイズあり - 素振り文武両道
                                  • 文豪スイング 正岡子規『ベースボール』出だしだけ それと、くろいぬin甲子園球場内の写真 - 素振り文武両道

                                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【120】バットを振りました。 正岡子規さんの『ベースボール』の 出だしだけ読みながら バットを振りました。 『ベースボール』 正岡子規, ベースボールに至りてはこれを行う者極めて少くこれを知る人の区域も甚はなはだ狭せまかりしが近時第一高等学校と在横浜米人との間に仕合マッチありしより以来ベースボールという語ははしなく世人の耳に入りたり。されどもベースボールの何たるやはほとんどこれを知る人なかるべし。 もう少し分かりやすい文章にして、【言いながら】バットをふりました。 1行5回ずつ繰り返し、40振りました。 ベースボールをする者は少く、 これを知る人の区域も狭いが、 近頃、第一高等学校と、 在横浜米人との試合があって以来、 ベースボールという言葉は、 思いがけなく世間の耳に入ってきた。 けれどベースボールとは何なのか、 知る人はほとんどいない。 というこ

                                      文豪スイング 正岡子規『ベースボール』出だしだけ それと、くろいぬin甲子園球場内の写真 - 素振り文武両道
                                    • 文豪スイング 海野十三『宇宙女囚第一号』出だしだけ - 素振り文武両道

                                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 明日10/30は、 ニュースパニックデー・宇宙戦争の日 だそうです。 宇宙文学を読みバットを振りました。 青空文庫より。 『宇宙女囚第一号』海野十三。 イー・ペー・エル研究所に絵里子をたずねた僕は、ついに彼女に会うことができず、そのかわり普段はろくに口をきいたこともない研究所長マカオ博士に手をとられんばかりにして、その室に招じられたものである。この思いがけない博士の待遇に、僕は面くらったばかりか、なんだか変な気持さえ生じた。 「おうほ、絵里子はね、――」 おうほと、博士独特の妙な感歎詞をなげるごとに、博士の頤髯がごそりとうごいた。 「おうほ、絵里子はね、女性にはめずらしい学究だ。君と絵里子とは結婚する約束があるそうだが、君は世界一の令夫人を迎えるわけで、世界一の名誉を得るわけだ。しかしねえ、――」 といって博士はちょっと

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                                      • 文豪スイング 小川未明『こいのぼりと鶏』 - 素振り文武両道

                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 干支の動物にちなんだ文豪の文章を読みながら、バットを振ってまして、 今日は鶏でした。 青空文庫より。 『こいのぼりと鶏』小川未明 泉水の中に、鯉と金魚が、楽しそうに泳いでいました。しかし、黒い猫が、よく狙っていますので、油断ができませんでした。いつ、つかまえられて、食たられてしまうかしれないからです。 「わたくしが、見張りをしてあげましょう。」と、毎日、泉水のほとりで遊んでいる鶏(ニワトリ)がいいました。鶏は、すばしこかったから、けっして、猫にとらえられるようなことはありませんでした。 「どうぞ、おたのみいたします。」と、鯉と、金魚はいいました。 10行にしました。 1行5回ずつ繰り返し【言ってバットを振りました】50スイングです。 泉水の中に、鯉と金魚が、 楽しそうに泳いでいた。 しかし黒猫がよく狙っており、 油断がで

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                                        • 文豪スイング H.G.ウェルズ『透明人間』 - 素振り文武両道

                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【180】バットを振りました。 HGウェルズ『透明人間』を読みながらバットを振りました。 『タイムマシン』で有名な方ですが、青空文庫にはこの『透明人間』しかないです。 青空文庫より引用。 『透明人間』 ハーバート・ジョージ・ウエルズ, 海野十三 訳, 黒馬旅館の客 影のような男 怪物かいぶつ! そうだ、怪物にちがいない。 怪物でなくて、なんだろう? 科学が発達した、いまの世の中に、東洋の忍術使いじゃあるまいし、姿がみえない人間がいるなんて、これは、たしかに変だ。奇怪だ! しかし、それは、ほんとうの話だった。怪物ははじめに、ものさびしい田舎にあらわれた。それからまもなく、あちこちの町にも出没するようになったのである。たいへんな騒になったことは、いうまでもない。 その怪物の姿は、まるっきり見えないのである。すきとおっていて、ガラス、いや空気のように透明なの

                                            文豪スイング H.G.ウェルズ『透明人間』 - 素振り文武両道
                                          • 文豪スイング 小川未明『灰色の姉と桃色の妹』 - 素振り文武両道

                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は桃色です。 青空文庫より引用。 小川未明, 『灰色の姉と桃色の妹』 青空文庫より引用。 あるところに、性質のちがった姉妹がありました。同じ母の腹から産まれたとは、どうしても考えることができなかったほどであります。 妹は、つねに桃色の着物をきていました。きわめて快活な性質でありますが、姉は灰色の着物をきて、きわめて沈んだ、口数の少ない性質でありました。 8行にしました。 1行につき5回ずつ繰り返し、 【言ってバットを振りました】 性質の違う姉妹があった。 同じ母の腹から産まれたとは、 考えられないほどだった。 妹は、つねに桃色の着物をきて、 きわめて快活な性質だが、 姉は灰色の着物をきて、 きわめて沈んだ、 口数の少ない性質だった。 ということで、 今度買う服は

                                              文豪スイング 小川未明『灰色の姉と桃色の妹』 - 素振り文武両道
                                            • 文豪スイング 宮沢賢治『北守将軍と三人兄弟の医者』 - 素振り文武両道

                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 文豪スイングをしました。 日本を大きく分けると、 北海道、本州、四国、九州です。 そこで、 「北」「本」「四」「九」で 始まるタイトルの小説を読み、 バットを振って行きます。 本日は「北」で バットを振りました。 出だしだけ。 宮沢賢治, 『北守将軍と三人兄弟の医者』 (ほくもり将軍) むかしラユーといふ首都に、兄弟三人の医者がいた。いちばん上のリンパーは、普通の人の医者だつた。その弟のリンプーは、馬や羊の医者だつた。いちばん末のリンポーは、草だの木だのの医者だつた。そして兄弟三人は、町のいちばん南にあたる、黄いろな崖のとつぱなへ、青い瓦の病院を、三つならべて建てていて、てんでに白や朱の旗を、風にぱたぱた云いはせていた。 10行にしてバットスイング。 1行を【言って1振り】し、 3回ずつ繰り返しました。 昔、ラユーという

                                                文豪スイング 宮沢賢治『北守将軍と三人兄弟の医者』 - 素振り文武両道
                                              • 文豪スイング 片山廣子『大ヘビ子ヘビ』 - 素振り文武両道

                                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【130】バットを振りました。 干支にちなんだ文豪の文章を読みながら、バットを振ってます。 今日は巳年のヘビでした。 青空文庫より。 『大へび小へび』 片山廣子, 日本では蛇の昔ばなしがたくさんあるが、アイルランドの伝説にも蛇が多いやうである。同じやうに島国のせゐかもしれない。初めに私が読んだのはごく太古のこと、北方の山の湖水に劫ごふを経た大蛇が、将来えらい人がこの国に来て蛇族全部を退治してしまふといふ予言をきいたので、さういふ災禍の来ない前に海に逃げてしまはうと思つて、一生けんめいに湖水から逃げ路を作り始める。行くみちみちで沿岸の家畜どもを喰ひ荒し、時々休息し、さうして又水路を掘る。いさましい人間どもが大蛇を攻撃してくるが、いつも人間の方が負けてしまふ。しかし大蛇も負傷したり殺されかかつたりして、 ここまで。 10行にして、1行5回ずつ繰り返し【言っ

                                                  文豪スイング 片山廣子『大ヘビ子ヘビ』 - 素振り文武両道
                                                • 文豪スイング 森鴎外『最後の一句』 - 素振り文武両道

                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 最近、本を譲って頂きましたので、 しばらくこれを読みながら、 バットを振ります。 pちゃ様、ありがとうございます。 森鴎外『最後の一句』出だしだけ。 時は元文三年(1738年) 十一月二十三日。 大阪で船乗業を営んでいた 桂屋太郎兵衛の斬罪を知らせる 高札が立てられた。 市中はその噂で持ちきりだったが、 肝心の太郎兵衛の家族は 南組堀江橋ぎわの家で、 丸二年近く世間との交通を絶って 暮らしていたため、 その事実を知る由もなかった。 ピンクの10行を3回ずつ 【言って振り】ました。 30スイングです。 つまり、ある人が斬罪になったが、 その家族は気づいていない。 という出だしです。 どんな事情がある家族なのか、 スタートから興味が湧いてきます。 本日の素振り文武両道の概要。 2024/05/29 素振りの本数 : 150

                                                    文豪スイング 森鴎外『最後の一句』 - 素振り文武両道
                                                  • 文豪スイング 芥川龍之介『猿蟹合戦』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                    皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 今日は芥川龍之介の『猿蟹合戦』の出だしだけ読み、バットを振りました。 青空文庫より引用。 猿蟹合戦, 芥川龍之介, 蟹の握り飯を奪った猿はとうとう蟹に仇を取られた。蟹は臼、蜂、卵と共に、怨敵の猿を殺したのである。――その話はいまさらしないでも好い。ただ猿を仕止めた後、蟹を始め同志のものはどう云う運命に逢着したか、それを話すことは必要である。なぜと云えばお伽噺しは 10行にして、バットを振りました。 1行につき5回ずつ【言って振り】 50の素振りでした。 蟹の握り飯を奪った猿は、 とうとう蟹に仇を取られた。 蟹は臼、蜂、卵と共に、 怨敵の猿を殺したのである。 その話はいまさらしないでも好い。 ただ猿を仕止めた後、 蟹を始め同志のものは どういう運命に逢着したか、 それを話すことは必要である。 なぜといえばお伽噺しは、、、

                                                      文豪スイング 芥川龍之介『猿蟹合戦』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                    • 文豪スイング マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー『フランダースの犬』菊池寛 訳 - 素振り文武両道

                                                      皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪の文章を読みながらバットを振りました。『フランダースの犬』の出だしですが、菊池寛さんの訳です。 青空文庫より、 フランダースの犬 A DOG OF FLANDERS マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 ネルロとパトラッシュ――この二人はさびしい身の上同志でした。 ふたりともこの世に頼るものなく取り残されたひとりぼっち同志ですから、その仲のいいことは言うまでもありません。いや、「仲がいい」くらいな言葉では言いあらわせません。兄弟でもこれほど愛し合っている者はまずないでしょう。ほんとにこれ以上の親しさはかんがえられないほどの間柄でした。しかも、ふたり、と言っても人間同志ではないのです。 12行にしました。 【言って振り】を1行5回繰り返しました。60スイングでした

                                                        文豪スイング マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー『フランダースの犬』菊池寛 訳 - 素振り文武両道
                                                      • 文豪スイング 芥川龍之介『白』 - 素振り文武両道

                                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読み、 バットを振ってます。 今日は白色ということで、 芥川龍之介, 『白』 青空文庫より引用。出だしだけ。 ある春の昼過ぎです。白と云う犬は土を嗅かぎ嗅ぎ、静かな往来を歩いていました。狭い往来の両側にはずっと芽をふいた生垣が続き、そのまた生垣の間にはちらほら桜なども咲いています。白は生垣に沿いながら、ふとある横町へ曲りました。が、そちらへ曲ったと思うと、さもびっくりしたように、突然立ち止ってしまいました。 それも無理はありません。その横町の七八間先には印半纏(しるしばんてん)を着た犬殺しが一人、罠を後ろに隠したまま、一匹の黒犬を狙っているのです。しかも黒犬は何も知らずに、犬殺しの投げてくれたパンか何かを食べているのです。けれども白が驚いたのはそのせいばかりではありません。見知らぬ犬ならばともかくも、今

                                                          文豪スイング 芥川龍之介『白』 - 素振り文武両道
                                                        • 文豪スイング 芥川龍之介『トロッコ』出だし - 素振り文武両道

                                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪の文章を読んでバットを振りました。 芥川龍之介『トロッコ』の冒頭だけ。 青空文庫より。 トロッコ, 芥川龍之介, 小田原熱海あたみ間に、軽便鉄道敷設ふせつの工事が始まったのは、良平りょうへいの八つの年だった。良平は毎日村外はずれへ、その工事を見物に行った。工事を――といったところが、唯ただトロッコで土を運搬する――それが面白さに見に行ったのである。 トロッコの上には土工が二人、土を積んだ後うしろに佇たたずんでいる。トロッコは山を下くだるのだから、人手を借りずに走って来る。煽あおるように車台が動いたり、土工の袢天はんてんの裾すそがひらついたり、細い線路がしなったり――良平はそんなけしきを眺ながめながら、土工になりたいと思う事がある。 12行にしました。 1行を【言って振り】ました。 5回ずつ繰り返し60振りでした。 鉄

                                                            文豪スイング 芥川龍之介『トロッコ』出だし - 素振り文武両道
                                                          • 文豪スイング 江戸川乱歩『少年探偵団』 - 素振り文武両道

                                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 文豪の著作物の冒頭部分だけで、バットを振りました。 江戸川乱歩さんの『少年探偵団』 青空文庫より引用。 少年探偵団 江戸川乱歩 黒い魔物 そいつは全身、墨を塗ったような、おそろしくまっ黒なやつだということでした。 「黒い魔物」のうわさは、もう、東京中にひろがっていましたけれど、ふしぎにも、はっきり、そいつの正体を見きわめた人は、だれもありませんでした。 そいつは、暗やみの中へしか姿をあらわしませんので、何かしら、やみの中に、やみと同じ色のものが、もやもやと、うごめいていることはわかっても、それがどんな男であるか、あるいは女であるか、おとななのか子どもなのかさえ、はっきりとはわからないのだということです。 12行にしました。1行につき、5回ずつ【言って振り】ました。 そいつは全身、墨を塗ったような、 まっ黒なやつだというこ

                                                              文豪スイング 江戸川乱歩『少年探偵団』 - 素振り文武両道
                                                            • 文豪スイング 豊島与志雄『天下一の馬』 - 素振り文武両道

                                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【150】バットを振りました。 干支の動物にちなんだ文学作品を読みながら、バットを振っています。 今日は7つ目の馬です。 青空文庫より、出だしだけ。 『天下一の馬』 豊島与志雄 ある田舎の山里に、甚兵衛という馬方がいました。至ってのんき者で、お金がある間はぶらぶら遊んでいまして、お金がなくなると働きます。仕事というのは、山から出る材木を、五里ばかり先の町へ運ぶのです。ぷーんと新しい木の香りがする丸や四角の材木を、丈夫な荷馬車に積み上げ、首のまわりに鈴をつけた黒馬にひかして、しゃんしゃんぱっかぱっか……と、朝早くから五里の街道を出かけて、夕方までには家へ帰って来ます。その馬がまた甚兵衛の自慢でした。 10行に要約して、1行5回繰り返し【言って振り】ました。 ある山里の馬方、甚兵衛、 お金がある間はぶらぶら遊び、 お金がないと働く。 仕事は、山から材木を町

                                                                文豪スイング 豊島与志雄『天下一の馬』 - 素振り文武両道
                                                              • 文豪スイング エドガー・アラン・ポー 『黒猫』 - 素振り文武両道

                                                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」色の3回目。 『黒猫』の出だしです。 青空文庫より引用。出だしだけ。 エドガー・アラン・ポー 『黒猫』 佐々木直次郎訳 私がこれから書こうとしているきわめて奇怪な、またきわめて素朴な物語については、自分はそれを信じてもらえるとも思わないし、そう願いもしない。自分の感覚でさえが自分の経験したことを信じないような場合に、他人に信じてもらおうなどと期待するのは、ほんとに正気の沙汰とは言えないと思う。だが、私は正気を失っている訳ではなく、――また決して夢みているのでもない。 8行にして、5回ずつ 【言ってバットを振り】ました。 この奇怪で素朴な物語は、 信じてもらえるとは思わない。 自分の経験したことが、 自分で信じられないのに、 他人に信じてもらうのは 正気の

                                                                  文豪スイング エドガー・アラン・ポー 『黒猫』 - 素振り文武両道
                                                                • 文豪スイング 夏目漱石『創作家の態度』 - 素振り文武両道

                                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 文豪の文章を読みながら、 バットを振りました。 もしかすれば、 創作家の心の持ち方、 物の観方は、 十人十色だ。 と、3行で済むと思います。 青空文庫より。出だしだけ。 『創作家の態度』夏目漱石 演題は「創作家の態度」と云うのであります。態度と云うのは心の持ち方、物の観方くらいに解釈しておいて下されば宜しい。この、心の持ち方、物の観方で十人、十色さまざまの世界ができまたさまざまの世界観が成り立つのは申すまでもない。一例を上げて申すと、もし諸君が私に向って月の形はどんなだと聞かれれば、私はすぐに丸いと答える。諸君も定めし御異存はなかろうと思う。ところがこの間ある西洋人の書いたものを見たら、我々は普通月を半円形のものと解しているとあったのみか、なぜまんまるなものと思っていぬかと云う訳までが二三行つけ加えてあったんで、少し驚い

                                                                    文豪スイング 夏目漱石『創作家の態度』 - 素振り文武両道
                                                                  • 「超能力×文豪」の驚愕のシナジー! 「文豪ストレイドッグス」の魅惑を徹底解剖 | 漫画ワンダーランド-Manga Wonderland –

                                                                    あなたは文学と超能力が混ざり合った独特の世界を体験したことがありますか?「文豪ストレイドッグス」は、現実の文豪たちが持つ超能力を駆使して物語を紡ぐ、驚きと感動に満ちたアニメ・マンガ作品です。本記事では、その深遠なる魅力を徹底的に解剖します。現実の歴史を背景に、想像力豊かなストーリーテリングと個々のキャラクターの心理描写が織りなす、この作品ならではの世界を一緒に探求してみましょう。 序章:描かれる驚愕の世界 「文豪ストレイドッグス」は、文豪の名を持つ異能力者たちが活躍するアクション漫画です。原作は朝霧カフカさん、作画は春河35さんで、2013年から『ヤングエース』で連載中です。アニメ化や小説化もされており、人気の高い作品です。 この作品の背景と魅力については、以下のような点が挙げられます。 文豪というキャラクター設定が斬新で面白い。太宰治や芥川龍之介など、日本文学の名だたる作家たちがイケメン

                                                                    • 明治の文豪が名作を生んだ家 | 森鷗外・夏目漱石住宅 - 平日腰掛けOLのメモ帳

                                                                      おつかれさまです。 明治時代の建築物が大好きな腰掛けOLです。 今日は、「博物館明治村」にある明治の文豪が名作を生んだ家を紹介します! 森鷗外・夏目漱石住宅 もともとは、明治20年(1887)頃に東京都文京区千駄木町に医学士・中島襄吉の新居として建てられたものです。 空家になったこの家に、 明治23年(1890)から森鷗外が住み、 『舞姫』を発表! その後、 明治36年(1903)から夏目漱石が住み、 『吾輩は猫である』を発表! 昭和38年(1963)に解体され、 昭和39年(1964)に明治村に移築されました。 同じ家に相次いで文豪が住むなんて! そして、その家で名作が生まれるなんて! 事実は小説よりも奇なり。 田の字型の平面をベースにした明治時代の典型的な中流住宅の間取り。 南面に突き出した書斎は陽当り良好! 文豪目線でのぞくお庭。 走って怒られたい、長い渡り廊下。 小物まで忠実に再現

                                                                        明治の文豪が名作を生んだ家 | 森鷗外・夏目漱石住宅 - 平日腰掛けOLのメモ帳
                                                                      • 文豪スイング 林 不忘(はやしふぼう)『丹下左膳』より - 素振り文武両道

                                                                        皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 これまで子、丑、寅、卯にちなんだ 文豪の文章でバットを振りました。 今回は順番から言って、 「辰年」の竜にしました。 そして時代小説です。 青空文庫より、出だしだけ。 『丹下左膳』 乾雲坤竜の巻 けんうんこんりゅうのまき 著者、林 不忘(はやしふぼう) しずかに更ふけてゆく秋の夜。 風が出たらしく、しめきった雨戸に時々カサ! と音がするのは庭の柿の病葉わくらばが散りかかるのであろう。その風が隙間を洩れて、行燈あんどんの灯をあおるたびに、壁の二つの人影が大入道のようにゆらゆらと揺ぐ――。 10行にしました。 1行につき5回【言って振り】ました。 しずかに更けてゆく秋の夜。 風が出たらしく、 しめきった雨戸に時々、 カサ! と音がするのは 庭の柿の、わくらばが、 散りかかるのであろう。 その風が隙間を洩れて、 あんどんの灯を

                                                                          文豪スイング 林 不忘(はやしふぼう)『丹下左膳』より - 素振り文武両道
                                                                        • 文豪スイング 宮沢賢治『黒ぶだう』 色にちなんだ小説「黒」 - 素振り文武両道

                                                                          皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【180】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」色ということで、 宮沢賢治, 『黒ぶだう』 (多分、葡萄でしょう) 青空文庫より引用。出だしだけ。 仔牛が厭きて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を通りかかった赤狐が風のやうに走って来ました。 「おい、散歩に出ようぢゃないか。僕がこの柵を持ちあげてゐるから早くくぐっておしまひ。」 仔牛は云はれた通りまづ前あしを折って生え出したばかりの角を大事にくぐしそれから後あしをちゞめて首尾よく柵を抜けました。二人は林の方へ行きました。 狐が青ぞらを見ては何べんもタンと舌を鳴らしました。 そして二人は樺林の中のベチュラ公爵の別荘の前を通りました。 ところが別荘の中はしいんとして煙突からはいつものコルク抜きのやうな煙も出ず鉄の垣が行儀よくみちに影法師を落してゐるだ

                                                                            文豪スイング 宮沢賢治『黒ぶだう』 色にちなんだ小説「黒」 - 素振り文武両道
                                                                          • 文豪スイング 山川方夫『メリイ・クリスマス』 - 素振り文武両道

                                                                            皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【170】バットを振りました。 文豪の文章を読みながら、バットを振りました。 青空文庫より。出だしだけ。 『メリイ・クリスマス』 山川方夫 やまかわまさお, ある秋の夜。むし暑く、寝苦しいまま、彼はアパートの手すりにもたれて、目の下にひろがる都会の夜を、ぼんやりと眺めていた。彼の部屋は、都心に近い高層アパートの、それも最上階にあった。 月の美しい夜ふけで、空は月のまわりだけ穴をあけたように明るく澄み、淡い煙に似た薄い雲が、ときどきそのまんまるな月の前を流れていた。 ここで止めます。 14行にして、1行5回ずつ繰り返し【言って振り】ました。 ある秋の夜。 彼はアパートの手すりにもたれ、 目の下の都会の夜を眺めていた。 彼の部屋は、高層アパートの 最上階にあった。 しばらく風に吹かれてから、 彼が部屋に戻ろうとしたとき、 背後にごく小さな、 女の忍び笑いが

                                                                              文豪スイング 山川方夫『メリイ・クリスマス』 - 素振り文武両道
                                                                            • 文豪スイング グリム『白雪姫』「白色」2回目 - 素振り文武両道

                                                                              皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【190】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読み、 バットを振ってます。 白色は前回の芥川龍之介に続き、 2回目ですが、菊池寛の訳なので気になっていました。 青空文庫より、出だしだけ。 『白雪姫』 グリム。菊池寛訳。 むかしむかし、冬のさなかのことでした。雪が、鳥の羽のように、ヒラヒラと天からふっていましたときに、ひとりの女王さまが、こくたんのわくのはまった窓のところにすわって、ぬいものをしておいでになりました。女王さまは、ぬいものをしながら、雪をながめておいでになりましたが、チクリとゆびを針でおさしになりました。すると、雪のつもった中に、ポタポタポタと三滴の血がおちました。まっ白い雪の中で、そのまっ赤な血の色が、たいへんきれいに見えたものですから、女王さまはひとりで、こんなことをお考えになりました。 「どうかして、わたしは、雪のようにからだが白

                                                                                文豪スイング グリム『白雪姫』「白色」2回目 - 素振り文武両道
                                                                              • 文豪スイング 芥川龍之介『将軍』出だしだけ - 素振り文武両道

                                                                                皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【160】バットを振りました。 そして今日は「乃木大将の日」です。 そこで、乃木大将のことが書かれた、芥川龍之介の『将軍』を読みました。 青空文庫より、出だしだけ。 『将軍』 芥川龍之介 一 白襷隊 明治三十七年十一月二十六日の未明だった。第×師団第×聯隊の白襷隊(しろだすきたい)は、松樹山(しょうじゅざん)の補備砲台(ほびほうだい)を奪取するために、九十三高地(くじゅうさんこうち)の北麓(ほくろく)を出発した。 路(みち)は山陰(やまかげに沿うていたから、隊形も今日は特別に、四列側面の行進だった。 6行にして、【言って振る】こと10回ずつ繰り返しました。 白襷隊(しろだすきたい)は、 松樹山の砲台を奪取するため、 九十三高地北麓を出発した。 みちは山かげに沿うていたから、 隊形も今日は特別に、 四列側面の行進だった。 ということで、行進は地形によって

                                                                                  文豪スイング 芥川龍之介『将軍』出だしだけ - 素振り文武両道
                                                                                • 文豪スイング アミーチス エドモンド・デ 『母を尋ねて三千里』 - 素振り文武両道

                                                                                  皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【140】バットを振りました。 昨日のご当地ソングの勢いそのままに、文豪の文章を読みながら、バットを振りました。出だしだけです。 青空文庫より引用。 アミーチス エドモンド・デ 『母を尋ねて三千里』 日本童話研究会訳, もう何年か前、ジェノアの少年で十三になる男の子が、ジェノアからアメリカまでただ一人で母をたずねて行きました。 母親は二年前にアルゼンチンの首府ブエーノスアイレスへ行ったのですが、それは一家がいろいろな不幸にあって、すっかり貧乏になり、たくさんなお金を払わねばならなかったので母は今一度お金持の家に奉公してお金をもうけ一家が暮せるようにしたいがためでありました。 ということで、「アメリカ」は南アメリカのことでしょう。 12行にしました。 1行5回【言って振り】ました。 60スイングでした。 もう何年か前、ジェノアの 十三の男の子が、 ジェノ

                                                                                    文豪スイング アミーチス エドモンド・デ 『母を尋ねて三千里』 - 素振り文武両道