「彼女と出会ったのは、1年前の夏だった」。動画はそんな男性の声で始まる。スクール水着を着た黒髪の若い女性がプールから顔を出し、「養って」とささやく。「その日から彼女との不思議な生活が始まった」とナレーションは続く。女性は水着のままプールサイドで遊ぶ。季節が秋から冬に移り変わっても、なぜか水着のまま食事をし、寒空の下、野外で寝る。そして1年。女性が「さよなら」とプールに飛び込んだ瞬間、「その美しい人の名はうな子。」の声と字幕が流れ、ウナギが泳ぐシーンに変わる。つまり、女性の正体はウナギだったのだ。 これはウナギが名産の鹿児島県志布志市が作成した動画で、2016年の公開当時大きく炎上した。まさか自治体が炎上目的で広告を作ったわけではあるまい。養殖ウナギを擬人化し、最後に種明かしをすることで驚きを狙ったのだろうが、残念ながら失敗している。ナレーションが男性であることから、視聴者は男性が若い女性を