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  • 無料で読める最高の金融政策講義七選 - 投資の消費性について

    日本銀行の白川総裁が、二人の副総裁の任期満了に合わせて、つまり新しい体制のスタートを向いた形で、三月に辞任する。特に最近は、政府から強い批判を浴びる中で、日本および世界経済の現状と金融政策について、丹念な説明を繰り返していた。その内容は、彼の外見の印象とは対照的に、実に骨太の、知識と経験とに裏打ちされた、いつでも力強いものだ。それらを目にしたこと、耳にしたことのない方も多いと思うので、数多ある彼の素晴らしい講演の中から、僕の好みで、いくつか選んでみたいと思う。これらは結果的に、最高の金融政策講義になるだろう。現首相をはじめとして、ヒステリックな日銀批判を見かけることは多いが、そしてまた一体何が本当なのか、よくわからないと感じられている方も多いと思うが、他のどんな「教科書」を当たるよりも、この無料で読める講演群に、まず目を通されてみてはいかがかと思う。いかに稀有な人材を、我々は中銀総裁として

      無料で読める最高の金融政策講義七選 - 投資の消費性について
    • 生産性より消費性 : 404 Blog Not Found

      2007年02月12日11:30 カテゴリValue 2.0Money 生産性より消費性 そしてその社会の平均的な生産性というのは、何が決めるのだろうか? 山形浩生 の「経済のトリセツ」  Supported by WindowsLiveJournal - 生産性の話の基礎 賃金水準は、絶対的な生産性で決まるんじゃない。その社会の平均的な生産性で決まるんだどう考えても、「その社会の総消費量で決まる」という結論になると思う。 ちなみにここでは、貯蓄も消費に含めている。お金の行き先を決める行為は、すべて消費ということにしている。 なぜ生産するかといったら、消費するためだ。使いもしないのに作ってもしょうがない。たとえ本を20冊翻訳しても、誰も買ってくれなければ「生産」とは見なされない。読まれるでも「積読」されるのでもどちらでもいいけれど、とにかく買ってもらわなければ話にならない。一冊あたり50万

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      • 日銀解散 - 投資の消費性について

        「お金の量は中央銀行が調節しろ」みたいな素っ頓狂を、さも普遍的な事実であるかのように吹く学校の先生が複数いる(これ*1とかこれ*2とか)事実に驚き、そんなところじゃ何も学べないから俺のところへ来いと言いたくなる気持ちを抑えて、なぜそれが馬鹿馬鹿しいのか、端的に示す例を挙げよう。日銀解散だ。 日程の話だが、明日ではちょっと急すぎるので、明後日に解散することにしよう。そのために明日準備すべきことは何か。まず第一に、僕らが持っている紙幣を銀行に持っていく。明後日から使えなくなってしまうので、その前に預金にしておくのだ。今後の買い物のために、カードの類や電子マネーも同時に用意しよう。うっかりヘソクリを忘れないように、よく冷凍庫を確認することも大切だ。 紙幣を受け取った銀行は、それらを日銀に返す代わりに、日銀が持っている資産を(金太郎飴的に)受け取る。もちろん日銀への預金も、同時に解約だ。代わりに受

          日銀解散 - 投資の消費性について
        • 統計解析のはなし - 投資の消費性について

          統計はビッグだとか、データが最強だとか、なんだかハッタリ染みた見出しを最近よく見かけるのだが、もちろん読んでもいないのに批判するつもりなど毛頭ないのだが、道具の手触りを伴わない「らしいよ」情報は一般に、なんだかスゴいらしいよとか、これからは必須らしいよとか、要するに飲み屋でジョッキを片手に展開する他に、これといって出しどころがない。 じゃ実際に道具を使ってみようと、5分でわかるエクセル統計みたいな本を手に取れば、セルの羅列まで各ページに印刷してあって、やってみれば出来そうなものの、「面倒」と「だから何」のポリリズムが次々と襲ってくる。じゃ硬派な教科書をと、恐る恐る覗いてみれば、こんどは学生時代にあれほど忌み嫌った、クールな数式と演習問題のオンパレードで、頭痛の痛さといったら夢に出てくるレベルである。 統計も、辺境とはいえ数学の一部であって、学ぶための書籍を構成しようとすれば、大きく二種類に

            統計解析のはなし - 投資の消費性について
          • 戦略的に目一杯の住宅ローンを組む - 投資の消費性について

            「35年の住宅ローンを組んで家を買うのは、政府と銀行と不動産屋に騙されてるお人好しの馬鹿だ」みたいな論調は、いつでも人気があるよう*1なのだが、資産も負債も同時に変化する、人生のバランスシート*2の一大イベントが、そんなに単純な話であるはずもない。その同じ口で、日本はもう駄目だと財政危機を煽っていたりすれば、横綱に品格を求めつつ、八百長を糾弾するようなものだ。つまり矛盾している。 引退までの給与収入 年金 自宅 現預金 リスク資産 引退までの生活費 引退後の暮らし 住宅ローン 好きなことにつかうお金 家族への遺産 住宅ローンを組んで家を買うのは、人生のバランスシートを縦に伸ばす行為*3に他ならない。もちろん資産としての自宅は、老朽化に伴って安くなってしまうかもしれないし、間違って人気が出る可能性だってゼロではない。つまりリスクがある。このとき将来の収入に比べて、あまりにも大きなそれを買って

              戦略的に目一杯の住宅ローンを組む - 投資の消費性について
            • 岩田規久男日本銀行副総裁は辞任せよ - 投資の消費性について

              第183回国会 議院運営委員会 第12号(平成25年3月5日(火曜日)) http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002018320130305012.htm ○津村委員 二%ということを先ほどおっしゃられていましたが、岩田さんは、全責任を負う、マンデートだ、それを市場が信頼するからこそインフレ期待が上がるんだ、それについては現行の日銀法では不十分ということをおっしゃいましたが、これから中央銀行のトップ、副総裁につかれるとなれば、運用で、自分はこうやるんだ、全責任を負うんだということを明確にされることで、ある意味では、岩田さんのおっしゃる今の法の不備といいますか、そこを補っていかれるということだと思います。 そこで、お伺いしたいんです。 一つは、二年とおっしゃるのは、この就任の三月から二年後、つ

                岩田規久男日本銀行副総裁は辞任せよ - 投資の消費性について
              • ビットコインは皆が駄目だと思ったら死ぬ - 投資の消費性について

                タイトルだけで終わってしまう記事なのだが、じゃ円は皆が駄目だと思ったら死ぬのかといえば、まず死なない。あるいは皆が駄目だと思うことさえ簡単でない。なぜか。 もう3年ほど前、ルーブルが売られた際の記事だが、自国通貨買い介入の定理*1について思い出していただけると幸いである。要するに発行体がバランスシートの右側を安く買い戻せるとき、その財務は改善し、当該通貨を売る理由は加速度的に減少していく。 国債紙幣 それなら皆が国債を駄目だと思ったらどうなのかと思われるかもしれないが、こちらもまた構造は同じである。税金を取る対象であるところの、つまり政府から見て左側に居る我々も、また資産を抱えている。 さてビットコインはといえば、どれだけ抱えられていようが、どれだけ計算リソースが提供されていようが、皆が駄目だと思うとき、買う理由は見つからない。駄目じゃないかもしれない、と思うときだけ買う。ほとんど同語反復

                  ビットコインは皆が駄目だと思ったら死ぬ - 投資の消費性について
                • バングラデッシュの畜産が米国株式リターンを極めて正確に予測する理由 - 投資の消費性について

                  最近出た本*1の紹介記事のようなのだが、なかなか面白かったので引用してみる。 Data Mining Isn't Good Bet for Investors - WSJ.com http://online.wsj.com/article/SB124967937642715417.html Mr. Leinweber got so frustrated by "irresponsible" data mining that he decided to satirize it. After casting about to find a statistic so absurd that no sensible person could possibly believe it could forecast U.S. stock prices, Mr. Leinweber settled on

                    バングラデッシュの畜産が米国株式リターンを極めて正確に予測する理由 - 投資の消費性について
                  • なぜビットコインは通貨になれなかったのか - 投資の消費性について

                    日本人の名前だと思うのだが、ナカモトサトシと名乗るハッカーのつくった仮想通貨「ビットコイン」の価格が、乱高下している。背景には欧州危機があり、政府や中央銀行に依存しない点が人気を呼び、価格が高騰していたが、高騰し過ぎて今度は「バブル」が破裂してしまった。下記の他にも多数の記事が出ているので、興味のある方は検索いただきたい。 仮想通貨「ビットコイン」、人気急上昇で価値高騰 国際ニュース : AFPBB News http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2938295/10567730 Virtual currencies: Mining digital gold | The Economist http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21576149-even

                      なぜビットコインは通貨になれなかったのか - 投資の消費性について
                    • 「国債の日銀引き受け」を読み解く際の注意点 - 投資の消費性について

                      日銀が国債を買う 日銀が国債の保有残高を増やす 日銀が国債のリスク負担を増やす この三つは、それぞれ意味が異なるのだが、パッとイメージが湧いてくるだろうか。日頃から債券に慣れ親しんでいるひとには当たり前の話でもあるのだが、このところの安倍総裁による、おかしな日銀法改正にかかる議論の中では、これらが混同されている場面も非常に多いので、解説しておきたい。 さて一般に、借金には期限がある。期限のない借金は、貰うことと同じだと言い換えてもよい。国債とは政府による(相手を特定しない)借金のことだが、これにも当然だが期限がある。つまり日銀が政府に貸しているカネにも、その保有している国債毎に、それぞれ期限があるわけだ。この100円の貸しは明日まで、別の100円の貸しは明後日までといった具合に。 で、明日になると、予定通り100円が返ってきてしまう。もちろん別の100円の貸しは、その翌日に返ってくる予定だ

                        「国債の日銀引き受け」を読み解く際の注意点 - 投資の消費性について
                      • 俺達緩和 - 投資の消費性について

                        もう一年も前の、あの地震のあった金曜の深夜、東京都心は車で埋め尽くされ、歩道にも人波が溢れる中をかき分け自宅に辿り着いて、最初に呟いたのは株のことでした。 落ち着いた。金の話で恐縮だが、全力で買う。自分の目一杯リスクを負担してやる。覚悟しとけ。— Yoshi Noguchi (@equilibrista) March 11, 2011 その全貌も、津波の被害もよくわからず、余震も収まらない状況で、自分の道具から見た今後の心配は、資金調達が復興のチャレンジを妨げることだと反射的に感じました。要するに、売られるだろうと。また同時に、しかし買う理由しか、少なくとも自分の中には存在しないとも。 明日は買いだ。目先しか見えない馬鹿共は、遠慮なくカモってやる。ストーリーを売りにする運用屋は、格好つけて見せろ。時間軸に余裕がある個人は、未来の姿を教えてやれ。— Yoshi Noguchi (@equil

                          俺達緩和 - 投資の消費性について
                        • 投資の消費性について

                          ここ、はてなダイアリーのサービスが、予定を前倒して1月に更新を終了するとのことで、何かスパッとした記事でも書こうかと、いくつか考えたのですが、それ以前に挨拶だなと思い直しました。すこし前から*1気分は変わっておらず、はてなブログに移行しようという気は、さっぱり湧かないのです。 遡ると2009年、小さな商売を離陸させようと毎日必死だった頃に、新聞記者をされていた、当時のお客さんから、どこかで何か書けと促していただいたことが、発信を始めたきっかけでした。あらためて深く感謝します。振り返ると本当に不思議で、そうして書き始めて結果的に、かけがえのない友人が沢山できました。人生わからないよなと、控え目に言って最高と、そう感じています。 そうです。呼んでいただいたときには、スケジュールさえ合えば、わりと気軽に出かけていました。「電話をくれ」だとか、何度か記事に書きましたが、本当に連絡をいただけるケース

                            投資の消費性について
                          • アントンのやさしい線型代数 - 投資の消費性について

                            書店で、つい初学者向けの教科書に手を伸ばしてしまうのは、お客さんの前に立って声を出して説明しながらも、あれ、これホントかなとか、あるいは別の表現もある気がしてきたぞとか、知っているつもりのトピックにも発見は常に山盛りで、気の利いた道筋や地図のような目線は、いつだってそれ自身が喜びである。そして久々に、実に素晴らしい本に出会えば、どうしたって紹介したくなってしまう。 アントンのやさしい線型代数 作者: ハワード・アントン,山下純一出版社/メーカー: 現代数学社発売日: 1979/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (2件) を見る 初版は1979年、実に36年前にも遡るが、内容が古いのではなどと心配する必要がゼロなのは、この数学の土台はそんなにヤワじゃない。むしろ時の洗礼を浴び、オリジナル*1は既に11版となって未だ現役の古典は、ベテラン選手のスマート

                              アントンのやさしい線型代数 - 投資の消費性について
                            • 信用とデュレーション - 長期金利はどのように上昇するか - 投資の消費性について

                              格付け会社が何か言ったようだ*1が、日本は既に財政危機に陥っているとか、いや国債はもっと発行しても大丈夫だとか、あちこちで様々な議論を見かける中で、ほとんど常に欠落しているように見受けられる二つの大切な概念がある。信用とデュレーションだ。政府の債務は投資家にどんなふうに評価され、彼らのポートフォリオの中でどんなふうに扱われるのか、なるべく具体的に考えてみたい。 政府予算案と国債の増発について (金子洋一「エコノミスト・ブログ」) http://blog.guts-kaneko.com/2009/12/post_494.php 今後の国債の価格を考える上では、既発分ではなく、来年度一年間の国債の需要と供給の関係を考える必要があります。おおざっぱに表現すれば、来年度の貯蓄過剰分以上の国債の発行が来年度行われれば、これまでの国債の需給によって決定されていた現在の国債価格よりも、今後の価格が下落す

                                信用とデュレーション - 長期金利はどのように上昇するか - 投資の消費性について
                              • 市場と闘い続けた視点 - LittermanによるFamaへのインタビュー - 投資の消費性について

                                シカゴで行われた昨年のCFA Instituteの会議での、LittermanによるFamaへのインタビュー*1から、抜粋して訳してみる。偉大な二人の明晰な対話に、僕の解説など不要に決まってるので、さっさと始めよう。 Litterman: あなたは市場の効率性と、また均衡におけるリスクとリターンの関係という、二つの大きな議論の中心にいました。一体なぜ、これらは重要な概念なのでしょうか? Fama: 価格は入手可能なすべての情報を反映しており、生産的な資源配分のために正確なシグナルを提供するというのが、市場の効率性です。これこそが、資本主義の基本的な原理です。しかしながら市場の効率性をテストするには、市場が価格の決定を通じて、一体何をトライしようとしているのか、記述するモデルが必要です。具体的には、価格を動かすところの、均衡におけるリスクと期待リターンの関係を特定する必要があります。ところが

                                  市場と闘い続けた視点 - LittermanによるFamaへのインタビュー - 投資の消費性について
                                • ゴックスを円天に例えるのは、ちっともおかしくない - 投資の消費性について

                                  「円天とは違いますよね」「わかってますわかってます」 ここ数日ビットコインについて、いくつか取材を受けた中での雑感なのだが、概して皆さんよく勉強されている。しかしいくら詰め込んだところで、肌で感じることは簡単でないこともあり、どうしても物言いは雪降った道を歩くように慎重だ。特に円天には絶対に例えちゃいけないと、誰かに怒られたのか知らないが、考えているようでもあるのだが、しかし一方で、マウントゴックスを円天に例えることは、さほどおかしいとも思われない。簡単にメモしておきたい。 顛末を乱暴に要約するなら、取引所を自称するゴックスが顧客から預かっていたビットコインが、どうやらハックされ失われたようだと伝えられており、実際に引き出すことは不可能な状況*1である。その信憑性は不明だが、リークされた文書*2によれば、下記のように極端な債務超過に陥っている。 2,000BTC744,408BTC742,

                                    ゴックスを円天に例えるのは、ちっともおかしくない - 投資の消費性について
                                  • 低金利政策の継続がもたらすもの - 投資の消費性について

                                    FRBは少なくとも2014年まで「異例の低金利」を継続するそうだ。会合から持ち出された妙なチャート*1は、政策当局者が自身の未来について予測する、金融政策が内包する奇妙を浮き彫りにした味わい深いシロモノだったが、率直に言えば個人的には、資金需給をナメるなボケとしか思えなかった。どれだけの人々が再来年に金を借りたいか、どう考えても、知っているのは神だけだ。 支出 = 消費 + 投資 さて、あらゆる支出は消費か投資のどちらかだと、当ブログでは常に考えるわけだが、投資と言っても色々あるだろと、その点にもうすこしだけ深入りすることで、見えてくるものがあると考えてみる。そう、今日の道具はこんな感じだ。いくつかの代表選手に、えいと分けよう。 支出 = 消費 + 人への投資 + 株式投資 + 債券投資 + 不動産投資 + コモディティ投資 いやもちろん、例えば設備投資にも出番をやろうぜとか、自宅を不動産

                                      低金利政策の継続がもたらすもの - 投資の消費性について
                                    • フィンテック風サービス雑感 - 投資の消費性について

                                      ここのところフィンテック風というか、取引サービスのようなものがポツポツ出てきて、どれも使ったことはないのですが、勘で徒然に書いてみようかなと。間違っていたら、教えて下さい。 VALU | だれでも、株式会社のように、あなたの価値をトレード。 https://valu.is/ 株式会社のように、などと言われた瞬間にゲーと思ってしまう*1のは、どうしたってロクでもない場面ばかり思い浮かぶからですが、実際のところ何を売買するサービスなのかよくわからず、スパイスとしてのビットコインをまぶしつつ、むしろ「俺たちは雰囲気で」を地で行ってる感じにシビれます。無をトレードしますみたいなパロディ*2の方が、むしろ構造を浮き彫りにする素敵さを備えている気もしますが、試行錯誤の過程なのか、最近は「優待」と称して、何らかのサービスを提示する発行者も出てきているようです。とはいえ、やりとりを最初から仕組みベースで提

                                        フィンテック風サービス雑感 - 投資の消費性について
                                      • 長期金利上昇時の対応マニュアル - 投資の消費性について

                                        あるいは国債価格下落時と表現した方がキャッチーだったかもしれないが、ともあれ財政破綻だとかハイパーインフレーションだとか、いきなり随分と向こう側を攻める論調ばかりを見かけるので、もうすこし手前のマイルドなところ*1を、そして対応策について簡単に考えてみたい。 長期金利とは何か さて長期金利は文字通り、金を借りる側にとっても貸す側にとっても同じ、事前に決める期間中の金利のことだ。政府が借りる水準で表現されることが多いが、僕らが金を借りようと思えば、ほとんどの場合は、そこから更に金利を上乗せされてしまう。長期金利の水準が変われば、今後の貸し借りだけでなく、もちろん既に金を貸したり、借りたりしている連中にも影響は及ぶ。すぐに与える影響は、そちらの方が大きいくらいだ。どんな影響か。今ならもっと金利が取れるのに、前もって小さく決めちゃった借金の価値は、小さくなってしまう。確認しよう。長期金利が上昇す

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                                        • 悲観的なメッセージとしての議員先生による「国債大丈夫」論 - 投資の消費性について

                                          国債の格付けと実際の信用度 - 中村てつじの「日本再構築」 http://d.hatena.ne.jp/NakamuraTetsuji/20121002#p1 アメリカや日本は、自国通貨建てで国債を発行しているので、急激に債券の価格が下がる(=金利が暴騰する)というようなことがあっても、中央銀行が債券を買い取ることによって金利を下げる(=債券の価格を上げる)ことができます。 全然無理です。財政の規律を取り戻さないまま、日銀に債券を買わせて乗り切ろうというのなら、そのとき我々はさらに売り浴びせる。あるいは日銀が飲み込む千兆円の日本国債が、黙っていれば暴落せざるを得ないゴミなら、こんどは日銀が発行する紙幣や、その当座預金がゴミと見做されるわけであって、そうなれば我々は円を売り浴びせる。いわゆるハイパーインフレーションと円の暴落は、商売や住宅のための長期の貸借だけでなく、日常的な生活の決済すら危

                                            悲観的なメッセージとしての議員先生による「国債大丈夫」論 - 投資の消費性について
                                          • 成長戦略としての日経225改革 - 投資の消費性について

                                            アレイオンは2013年9月25日の取引終了直前の30秒間に、日東電工株に大量の買い注文を出し、不正に株価を釣り上げた。株価への影響が大きかったことから相場操縦に当たると判断した。同日終値は前日比15%(1000円=ストップ)高の7540円だった。 アレイオンが運用していたファンドは不正に株価が釣り上げられた後、事前契約していた証券会社に株式を売却し、少なくとも105億円の利益を上げたとみられる。ただ、不正を主導したアレイオン自体の関与はファンドへの出資比率などに限られるとの計算から、課徴金額は少額にとどまった。 監視委によれば今回の案件は、日経平均株価の採用銘柄入れ替えに際して起きていた。証券会社も調達した日東電工株を同終値で投信運用会社などに売却する契約を事前に結んでいた。 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NG3M5M6S972F01.html む

                                              成長戦略としての日経225改革 - 投資の消費性について
                                            • 日露戦争、資金調達の戦い - 投資の消費性について

                                              よく考えてみるまでもなく、沢山の人が従事し、沢山の物資を投じる戦争には金がかかる。しばしば精神や人事のみで語られがちな歴史を、その資金調達側から描いた稀有な本は、しっかりと確認しながら読みたいのに、つい面白いので先を急いでしまう。 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書) 作者: 板谷敏彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/02/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 162回この商品を含むブログを見る おそらく実際に一次史料から振り返ろうとすれば、その全体像を把握するには、膨大な時間と知見が必要なはずだと思うのだが、意図されたかどうかにかかわらず、一線の現場で活躍される著者 [twitter:@Porcobuta] が、モダンな金融の視点を持ちつつ串刺したそれは、資金調達の教材としても実に素晴らしい。資本市場と情報技術、そしてコミュニケーション

                                                日露戦争、資金調達の戦い - 投資の消費性について
                                              • 長期金利が上昇すると、誰が困るのか - 投資の消費性について

                                                エルピーダ破綻とAIJ事件 日銀のデフレ・円高が招いた悲劇|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/16477 この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円として、もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、その後は増えない。実際には1年より長期の国債もあるので、徐々に上がり数年経って6兆円まで上がるが、その後は増えない。 ところが、名目成長が1%アップすると、時間が経過すればするほど税収は大きくなる。数年経つと6兆円以上増える。財務省の資料は、3年までしか計算せずに利払費が税収より大きいところだけしか見せないのだ。 デュレーションとALMの概念に触れながら、同時に長短の区別がゴチャゴチャという、おそるべき矛盾に目を瞑れば、高橋氏の指摘がまったく正しいのは、長期金利が上昇するとき、国債全体の

                                                  長期金利が上昇すると、誰が困るのか - 投資の消費性について
                                                • 「物価の安定」を再定義する - 投資の消費性について

                                                  何かと騒がしい外野の間だけでなく、先月の金融政策決定会合の議事要旨*1の中でも、その「目標」が示されたこともあってか、「物価の安定」について大いに議論が行われた様子が伺える。が、ゴチャゴチャしていて、率直に言って捉えどころがない。何を言っているのか、よくわからない。そもそも日銀法に定められた目的すら、議論の対象になってしまう現在の状況は、まさに混迷であって、ついでに言えば諸悪の根源であるようにも思われるので、思い切って僕が再定義してしまおう。えい。 中央銀行が財務の健全性を保ち、自身の信用リスクを最小化すること どうだ、わかりやすいだろう。ただ、これがどのように物価と関係するのか、いまひとつピンと来ないという方も多いかもしれない。なので、例え話を考えてみた。すこしばかり、お付き合い下さい。新たに、もう一つ、我が国に中央銀行を設立しようという与太話である。 さて日銀法を改正して、新たに、もう

                                                    「物価の安定」を再定義する - 投資の消費性について
                                                  • 大好きなエクセルに向かうとき、たったひとつだけ僕が気をつけること - 投資の消費性について

                                                    [twitter:@81TJ] のエクセル本が素晴らしくて、僕が応援しなくたって沢山売れそうだけれども、それでも書きたくなったので徒然してみようと思う。 外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方 作者: 慎泰俊出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2014/04/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る どこに行っても大抵あって、もちろん持っているひとも多くて、交換しやすいので「仕方なく」使っていたはずの道具は、無計画に増築を重ねた温泉旅館みたいに多層な機能で、だからこそ、どんなふうに使うのか、仕事の進め方から人柄みたいなものまで、つくられたファイルから透けてくる不思議な言葉でもある。実物を見るまで誰にも想像できないような、極端に個性的なシートさえ、どこの職場でも複数発見することができる。そのネ申エクセルが、現役でバリバリと業務をこなしている

                                                      大好きなエクセルに向かうとき、たったひとつだけ僕が気をつけること - 投資の消費性について
                                                    • 安倍コノミクスへの対処マニュアル - 投資の消費性について

                                                      安倍次期首相が日銀に要求する「大胆な金融緩和」について、慎重派の重鎮の先生方が、ややテクニカルだが骨太なツッコミを相次いで発信された。21世紀にもなって、これほどベーシックなのにホットな話題も珍しいわけで、じゃんじゃん殴り合うのが楽しいと思うのだが、孤高の極北として当ブログも後方からバトルロイヤルに参戦だ。油断するなよ。 金利がある世界に戻るとき(やや技術的) : アゴラ - ライブドアブログ http://agora-web.jp/archives/1508143.html 池尾さん [twitter:@kazikeo] を乱暴に要約するなら、2%程度のインフレ率が実現すれば、日銀であれ民間であれ、その預金残高を維持するためには金利の引き上げが必要になるだろうと。さもなくば預金の減少が、国債への売却圧力を実現させるだろうという話だ。 なぜいま量的緩和は制限されているのか - 岩本康志のブ

                                                        安倍コノミクスへの対処マニュアル - 投資の消費性について
                                                      • すべてが電子マネーな世界の金融政策 - 投資の消費性について

                                                        こういうのは、いつでも具体的に想像するのが素敵だ。我々は札も硬貨も持たず、買い物はすべて電子的に行う。一番簡単なのは、どこでも、小額でも、クレジットカード決済ができる状況を考えることだ。使ったことがないのだが、おサイフケータイでも、あるいはデビットカードでもよいのかもしれない。いずれにせよ極限では、同じものに近づくはずだ。十分に手数料が安く、決済にスピードがあるとき、例えばパンを買う際には、自分の銀行預金からパン屋の銀行預金へと送金するのに似たことになる。それだけのことだ。 こんなとき、日銀のバランスシートは、いまよりもずっと小さい。なぜなら、負債の大部分を占める日銀券が存在していないからだ。それだと日銀が国債を買えなくて困ると思うかもしれないが、我々が札を持っていない分は、単に銀行預金の中にある。なので国債は、おそらく銀行が買うのだろう。さて、金融政策にいこう。 不景気だから紙幣を刷って

                                                          すべてが電子マネーな世界の金融政策 - 投資の消費性について
                                                        • 借金の値段 - 投資の消費性について

                                                          米国でも日本でも、国債が買われたり売られてたりしている*1が、長期金利は下がったり上がったりしているが、要するに、借金の値段は日々変わっている。その意味*2を、あらためて考えてみたい。あらゆる借金の値段は、大きく分けて2つのコンポーネントから成る。時間の値段と、リスクの値段だ。 (1) 借金の値段 = 時間の値段 + リスクの値段 時間の値段が高いとき、借金の値段は高い。要するに、お金を借りたら、すこし多めに返す必要がある。そのとき時間は貴重だからだ。これを「無リスク金利」とも呼ぶ。リスクの値段が高いとき、借金の値段は高い。要するに、お金を借りたら、すこし多めに返す必要がある。皆がリスクを嫌がっているからだ。これを「リスクプレミアム」とも呼ぶ。一般には、時間は皆に共通で、リスクはその借金に固有だが、しかしながら最近の市場では、そのどちらかよくわからないようなアイテムがテーマになっている。政

                                                            借金の値段 - 投資の消費性について
                                                          • 相場操縦、モメンタム、情報開示 - 投資の消費性について

                                                            こんなのどうでもいいと思うんだが、村上ファンドの村上氏が売って、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑で強制調査だそうだ。 村上元代表を強制調査 アパレル株の株価操作の疑い:日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25HCJ_V21C15A1EA2000/ 関係者によると、村上元代表は2014年6月から7月にかけて、証券会社などからTSIホールディングス株を借りて大量売却し、値下がりした後に買い戻す「空売り」という手法を悪用。同社の株価を不正に下げた疑いがもたれている。 取引から利益を生み出そうと思えば、順序はともかく、1)安く買う、2)高く売る、ことが必要だが、その一方にのみインパクトを出し、他方を静かに実行することは、もちろん簡単じゃない。誰かがオリャオリャと売って、ゴンゴン下げていったとしよう。特に当該企業を取り巻く環境に変化が

                                                              相場操縦、モメンタム、情報開示 - 投資の消費性について
                                                            • 居酒屋政談のための簡潔な「安倍総裁による日銀批判」批判アンチョコ - 投資の消費性について

                                                              n%のインフレターゲット 「物価目標?未達の目標引き上げたら、営業成績上がるの?」 目標に達しないのは真面目にやってないからだという、駄目な支店長の典型みたいな小理屈は、未来に向かってロクな「改革」を生んだ試しがない。この手の「わかりやすい」号令を出す指揮官は、いつだって外から来たビビりの大将で、現場を知らないがゆえにチクリ屋の課長代理にコロリと乗せられ、つい吠えてしまう。結果的には皆の総スカンを喰らうことになるわけで、もちろん成績は出ない。真面目に解説すると、もちろん経済活動は活発に越したことはないわけだが、手段として物価目標を掲げ、そのために妙なアクションを強いることを疑問視する専門家は少なくない。 お金の量が足りない 「カネってのは潤滑油だろ?そんなもん増えたからって、この酒がうまくなったり、その刺身の生産が増えたりするの?」 この点は、一般に非常に誤解が多い割にはシンプルな話なので

                                                                居酒屋政談のための簡潔な「安倍総裁による日銀批判」批判アンチョコ - 投資の消費性について
                                                              • 日銀券の受け取りを拒否できる世界 - 投資の消費性について

                                                                日本銀行が発行するお札は、法貨として強制通用力が付与されており、公私一切の取引において無制限に受け取ってもらえます(日本銀行法第46条)。 http://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/05100003.htm/ こんなもの要らない。そもそも我々の日常の決済のためには、銀行振込でもクレジットカードでも、スイカでもパスモでも、ツケでも出世払いでも、別の手段は既にいくらでも存在している。紙幣だけ特別に、こんなお墨付きを得ているからこそ、「独立性」みたいな妙な概念が必要になってしまう。いつでも受け取りを強制できるような負債を発行できるんだから、妙なもの(一般には国債のことだが)買わされちゃ駄目だよと、更なる保護が必要になってしまう。こんなもの要らない。こんなものなくたって、我々の日常は全く困らない。具体的に考えてみよう。コン

                                                                  日銀券の受け取りを拒否できる世界 - 投資の消費性について
                                                                • 「日本復興」 - 投資の消費性について

                                                                  この言葉を、あちこちの見出しに躍らせたい。もちろん、そんなものは時間の問題で、いずれ東北の太平洋岸をひとつの中心として、僕らは新しい世界をつくり上げるプロセスに突入する。いや、既に突入している。そのとき報道が、最高にエキサイティングな現場をピックアップしないなんてことが、出来ようはずもない。一般に、物事は徐々にしか変化しないと、僕は考えている。ブラックは、実質金利はコンスタントだと言った。ただ僕らは先週、自然の力によって、いつもより大きなチャレンジに立ち向かわざるを得なくなった。変化を強要されてしまったのだ。これは、とてもポジティブなことだと思う。なぜなら前に進む力を、僕らは持っている。 新しい東日本は、何をつくり出すのだろう。それは、僕ら自身が未来に何を望むのかについて、想像することと同じだ。どんなふうに街はつくられるだろう。どんなふうに工場や輸送はデザインされ、何がつくられ、そして送り

                                                                    「日本復興」 - 投資の消費性について
                                                                  • チャレンジの三角形 - 投資の消費性について

                                                                    全国の啓蒙書ライターの皆様には是非パクっていただきたい、ビジネスのリスクにかかる直角三角形について、ご紹介しよう。とてもシンプルで、きっと示唆に富んで、素敵な酒の席と、そして明日を提供するはずだ。あらゆるビジネスのリスクは、1)市場リスクと、2)独自のチャレンジの、2つのコンポーネントに分解されるが、両者は常に直角に交わっている。図示しよう。 例えばバブルの波に乗って、借金して自社ビルを建てれば、市場リスクの成分が延ばされる形で、ビジネス全体のリスクは拡大することになる。 一方で、本業への投資を上手に拡大させることができれば、そのことは一般に、独自のチャレンジ成分の延長を意味する。 とても大切なことだが、市場リスク成分には、プレミアムが要求されてしまう。ビジネスのリスクの大きさが同じでも、市場リスクと独自のチャレンジの割合が違えば、株価は変わることを示唆する。本業の好不調にかかわらず、土地

                                                                      チャレンジの三角形 - 投資の消費性について
                                                                    • 本物のマイナス金利 - 投資の消費性について

                                                                      昨日のニセのマイナス金利について、単に預けねえよで終わる話なら、今後の上乗せ部分だけでなく、すべての当座預金についてマイナス金利にしても、いずれにせよ大した違いはないのではないか、との質問をいただいた。そのとおりである。預金は減って、その分だけ国債は銀行に手渡されるだろう。 マイナス金利でもって、銀行が「資金を貸し出しに向けることを促す」とか、わけのわからない解説も見かける*1わけだが、だったら残高全部をマイナス金利にして、銀行に当座預金を積ませることをやめた方がよいわけで、もうトンチンカン極まりない。 あるいは「イールドカーブの起点を沈める」みたいなチートシートを、会見では総裁が読み上げていたが、じゃ例えば日銀が預金の金利を-10%にしたとして、その分だけ左端が下がると思われるだろうか。なわけないだろ。要するに、これまで吊り上げ気味だった0.1%分が、リリースされるという話である。日銀の

                                                                        本物のマイナス金利 - 投資の消費性について
                                                                      • 復興資金は「あげる」か「貸す」のどちらかだ - 投資の消費性について

                                                                        または両者の組み合わせになる。ほとんど自明のことだが、すこし落ち着くためにも、よく採り上げられる手法の構造を確認しておきたい。「あげる」と「貸す」は、どんな特徴を持ち、どんなふうに組み合わされるのか。すこし乱暴なくらいがいい。大切なのは、何が起きるのかを、大雑把にでも把握することだ。 寄付 寄付はシンプルな構造で、とても機動的だ。既にあちこちで大勢が動いている。いま余裕のあるひとから、ハブになる公的な組織やボランティアを通じて、いま必要としているひとに「あげる」。使途は自由で、とても柔軟に使うことができるが、一方で規模を大きくすることは難しい。「あげる」ことのできる金額は、一般にあまり大きくないからだ。また、気をつけなければいけないのは、「あげる」先になっているハブ組織の信用である。何にいくら使ったのかについて、しっかりと確認することは肝要だ。そうでないと、必要としているひとでなく、(時に

                                                                          復興資金は「あげる」か「貸す」のどちらかだ - 投資の消費性について
                                                                        • 資金調達市場 - 投資の消費性について

                                                                          株式市場が資金調達の市場であること*1は、教科書に書かれているにもかかわらず、実際に数多く実行されているにもかかわらず、ほとんどあまり理解されていない金融の不思議のひとつだ。いま一度強調しておこう。チャレンジの志はあるものの、そのリスクを負担する資金が不足しているとき、「頑張ってみろ」と懐の深いスポンサーを募る場所が株式市場である。もちろん、その恩を(意図的に)忘れることなど不可能であるような法整備には、多くの専門家が力を注いでいる。 我々はいま、新しいチャレンジに立ち向かわざるを得なくなった。主観だが、自分はこのことにポジティブだ。以下に理由を列挙したい。 まず我々は、災害には滅法強い。それは普段から地震には慣れているとか、そういう小さな話じゃない。協力することの強さを、我々自身が何を望むのかを、よく知っているからだ。よりよいシステムを模索し、この事故をチャンスに変える力を持っている我々

                                                                            資金調達市場 - 投資の消費性について
                                                                          • 後ろ向きに出口へ - 投資の消費性について

                                                                            好景気になって、異次元の金融緩和からの出口で、日銀が債務超過に陥るみたいな財務論が、にわかに流行ってきて嬉しいわけだが、当ブログが継続して書いてきているテーマのひとつなわけだが、誰が何を言おうと誰もピンとこない振り返っても過去に例のない話は、いつだってエキサイティングだ。なので今日も、なるべく具体的に書きたい。 好景気になって、日銀が兆円単位の債務超過に陥り、国庫に納付できないばかりか、税金による補填が必要になる。つまり兆円単位のカネがかかるとしよう。別にいいじゃないか。好景気なら、兆円単位の税収増があっても、ちっともおかしくない。そのくらい痛くも痒くもない。ただ待て。後になって痛くも痒くもない程度のアクションで、世界は劇的に変わるだろうか。その程度の話に、僕らは四半世紀も費やしてきたのか。 好景気になって、日銀が十兆円単位の債務超過に陥り、国庫に納付できないばかりか、税金による補填が必要

                                                                              後ろ向きに出口へ - 投資の消費性について
                                                                            • 金融商品取引法はICOを追え - 投資の消費性について

                                                                              米SECがチェアマンの名前で、ICOへの再度の注意喚起、ちょっと強めの奴を出したのは先週の話で、レストラン評価アプリ https://munchee.io/ による資金調達にストップをかけたタイミングと同時だ。その内容はシンプルで、エコシステムとか名乗って、サービス内で使うトークンと称してるけど、実態としては価格の上昇を期待させたSecurityだろと。そういうのはルールの上に乗りなさいと。 According to the SEC’s order, before any tokens were delivered to investors, Munchee Inc. refunded investor proceeds after the SEC intervened. Munchee was seeking $15 million in capital to improve an ex

                                                                                金融商品取引法はICOを追え - 投資の消費性について
                                                                              • 壮大な花見酒 - 投資の消費性について

                                                                                どうにも何も書く気が起きないのだが、頑張って今日の金融政策決定会合について、メモしておきたい。文字通り、黒田日銀は異次元だった。長期債を二倍買う、その長さも二倍、リスクは掛け算で四倍だ。もちろん、株だって不動産だって二倍買う。そりゃ俺たち投機屋は反応するさ。 反応できない人々のことが気になる。なぜなら、この壮大な花見酒の代金を、結局のところ彼らだって払うからだ。日銀に金を貸しているのは、日本円を使う我々の全員だ。そのひとつは、財布に入れている紙幣。もうひとつは、銀行に入れている預金。日銀は、そうして借りた資金を、政府と株式と不動産に突っ込むと宣言したわけ。 もちろん、値段は上がるさ。日銀が買うことが、あらかじめわかってるわけだから、先回りして買っておく。小遣い稼ぎだ。当然のことながら、日銀には高い値段で売り渡す。誰が得したのか?持ってた奴と先回りした奴。誰が損したのか?遅れてくる日銀。 た

                                                                                  壮大な花見酒 - 投資の消費性について
                                                                                • 日銀が追加緩和で「マイナス金利」のECBをぶっとばす方法 - 投資の消費性について

                                                                                  ECBが「マイナス金利」だそうですが*1、こんなものね、屁のツッパリにもなりません。カネを預ける側から見れば、要するに利息が付かないばかりか、逆に利息を取るってんだから、だったら預けねえよって話ですよ。それだけ。じゃ代わりに誰に貸すのかって、手っ取り早いのは各国政府だ。量的緩和の逆。これに毛が生えたような案も、なんぼか出てくるかもしれないが、生えたとしても毛くらいのもので。 でね、焦ってると思うんです。特に日銀。よくわからない総理とか参与とか洋一とかに、お前もやれとか言われやしないだろうかと。実際たぶん言われるんです。でね、当ブログも煽っちゃおうかなと。もうさ追随とかじゃなくて、ぶっちぎってやれよ。世界を驚かせてやろうよ。その方法を、俺が教えてあげるよ。 貸出 ECB 預金 - プラス | マイナス 金利 | 金利 「マイナス金利」などと嘯いたところで、ECBのそれは、所詮預金に付く金利の

                                                                                    日銀が追加緩和で「マイナス金利」のECBをぶっとばす方法 - 投資の消費性について