ときには未来的な戦闘機のパイロット、ときにはテレポートの呪文を唱えようとしている魔法使い。どんな気分でも味わえる。ヘッドセットをひっつかんで頭に装着し、手首にコントローラーをはめる。まわりのスペースを確認し、長い魔法の円弧を描いてプレイエリアを示す。現実の世界が消えて、いざ、仮想の世界に入り込む。 現実から仮想現実(VR)の世界に入り込むまでの時間が、「Oculus Quest」の場合、驚くほど短い。筆者がいつもOculus Questをお気に入りのVRヘッドセットに選ぶ決め手は、この点だ。1年前に筆者がレビューしたとき、Oculus Questは米CNETの「Editors' Choice」賞に輝き、同じく米CNETによる2019年の最も革新的な製品のひとつにも選ばれた。 2020年になった今も、どちらの評価も間違っていなかったと思っている。最初にOculus Questをレビューしたと