【モスクワ大前仁】世界有数のバレエ団であるロシア・ボリショイ劇場バレエ団のセルゲイ・フィーリン芸術監督(42)が17日深夜、モスクワ市内の自宅周辺で顔を覆った人間から硫酸をかけられ、顔や角膜に全治6カ月以上のやけどを負った。警察は背景に仕事上のトラブルもあるとみて捜査している。 関係者によると、フィーリン氏は事件直前に脅迫電話を受けたり、自家用車が傷つけられたりしていた。バレエ団広報は「配役をめぐる争いが犯罪を招くようなことは想像もしていなかった」と述べた。 フィーリン氏はボリショイ・バレエ団の花形ダンサーとして活躍し、08年の引退後、11年3月に古巣の芸術監督に就任。12年の日本公演でも来日し日本にもファンが多い。一方でダンサーの昇進や配役をめぐり、強引な手法が伝えられていた。