新型コロナウイルスの感染拡大で幅広く自粛が求められるなか、客足が絶えない業種がある。休業要請の対象から外れている美容クリニックだ。ただ美容医療は「不急」だとして、感染の状況が落ち着くまで治療を待つよう求める声も出ている。 緊急事態宣言の対象が全都道府県に拡大され、一夜が明けた4月17日。東京・銀座の美容クリニックには幅広い年齢層の男女がいた。 「テレワークで時間ができたので、今がチャンスだと思いました」 都内の食品メーカーに勤める30代の男性は脱毛治療のため、初めて訪れた。以前からひげの濃さに悩んでいたが、治療後に赤みやむくみが出る可能性もあるとネットで知り、「職場の同僚にばれたくない」と、ためらっていた。 だが、3月中旬から在宅勤務となり、同僚と顔を合わせるのは週に一度のテレビ会議だけに。「自由な時間がいっぱいある。コンプレックスなので、今のうちにこっそり治療したい」 港区の主婦(52)