このクロフネツツジは本州で生まれた。 数年もすれば、北海道の気候に適応するだろうと思っていた。 しかし、5年が経っても成長せず、このツツジの季節感は狂ったまま。夏だというのに、紅葉を始めたりする。 わたしは花を咲かせず何物にもなっていない、このツツジに寛容だ。 凡庸なわたしは、(罪悪感を抱いたことがないと言えば嘘になるが)、何者かになるには、能力も努力も徹底的に欠けていた。 いやあ、平凡、凡庸、あいしてるよーぉ!(๑・̑◡・̑๑) かつてわたしは、そうだなぁ、10回くらいは仕事を変わっている。 一生懸命やるが、疲れてきて飽きる…。 語弊がある言い方かもだが、男に生まれていたら…やばかった。死んでたかも。 今考えると、たぶん私は適応能力が低い。 本来なら美しい桃色の花で華やぐはずのツツジちゃんは、今年も花を咲かせなかった。でもツツジは頑張って葉を茂らせている。 「お前の人生とは何だ?」って声