リコーの大山晃取締役コーポレート専務執行役員が2023年4月1日付で社長執行役員・CEO(最高経営責任者)に昇格する。大山氏自身、一度は取締役ではなくなり、社長レースから外れたという見方もあったが、山下良則社長からの信頼は揺るがなかった。社内で「最高のナンバー2」と称される大山氏は、複合機依存のビジネスモデルから脱却を果たせるか。 「利他の心を持つ仕事人」。リコーの山下氏は2023年1月30日に開いた社長交代会見で、次期社長の大山氏をこう評した。「国内だけでなく、海外の現地マネジメントからの信頼も厚く、人間味があふれる一面も持っている」(山下氏)。指名委員会もグローバルでの経験・実績や実務能力などを評価し、大山氏を次期社長・CEOに推した。 「彼は信頼できると思った」 大山氏はキャリアの半分以上を海外で過ごした。主に販売部門を歩み、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)と呼ばれる