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  • 手取り19万円の栄光の終わりに

    舵のない舟 かくて早くも彼の心は、洗練された隠遁の地、心地よき無人の境、人間的愚かさの絶えざる氾濫を遠く逃れた、びくとも動かぬ、なまぬるい方舟を夢みつつあった。 ユイスマンス『さかしま』 さかしま (河出文庫) 思えばおれの人生というのは舵のない舟に乗って川を流れてきただけだ。みすぼらしい帆や、壊れかけのエンジンはついていたかもしれない。ただ、流れてくるように、流れてきた。 おれは人生に興味がなかった。正確にいえばおれはおれの人生に興味がなかった。明日、どうしよう。五年後、どうしよう。大人になったら、どうしよう。なに一つ向き合ってこなかった。 親だとか誰かだとかにいわれるがままに、適当に流れてきた。意思というものがなかった。 べつに親だとか誰かだとかを信じていていたとか、そんな話もない。自分は確固たる意思をもって、意思を持たずに生きてきた。 人生の岐路に立って自分で道を選んだという覚えもな

      手取り19万円の栄光の終わりに
    • 李志、电声与管弦乐 12.回答

      原诗:北岛 曲、唱:李志 编曲:陈伟伦、徐梧桐 演奏:李志乐队与靳海音管弦乐团

        李志、电声与管弦乐 12.回答
      • <2978>「私は、怖かった」 - そうだろうね、いやどうでしょう

        私は、怖かった、 何かをしゃべり、 人の反応が変わり、 人が、 いつも自分に意見を求めてくるように、なったことが、 こわかった、 小学生の私には、 その出来事は重たかった、、 私は、怖かった、、 当たり前に生きていると、 当たり前に人に好かれることがあるのが、 心底こわかった、 どうしてこわいのだろう、、 私が現実から、 違う場所に行こうとしているのに、 それを、 ぎゅっと引きとめられるような気がしたからか、 足首を、つかまれて、 お前はこの場にいろと、 いうやられ方をしているように、感じるからか、 私は、怖かった、、 友達の一番ではなくなること、 愛する人や、 結婚する相手が見つかり、 仕事があり、 遊ぶことが当たり前ではなくなっていったこと、 私は、怖かった、、 命が、1回しかないこと、、 その状況で、 せっかく出会った二人が、 まったくバラバラの方向を向いているのが、 とても怖かった

        • <2973>「作業、液の交換、欲望」 - そうだろうね、いやどうでしょう

          身体のなかに作った、 ひとつの線、、 私は、 その線に乗り、、 ひたすらに作業を繰り返していく、、 狂人です、 狂人です、、 そこには、 ひとつも奇っ怪な動きなど、 含まれていない、 むしろ穏やかにしているからこその、 この狂いようのこわさなのです、、 あなたは誰ですか、 私は、 小学生の私と同じであり、 もはやどこにも似ているところのない、 おそろしい作業の集積です、、 ですけれど、 その重なりがおそろしいとはいえ、、 私は、 それを理由に状況を投げることはしない、 言い訳はしない、、 あたしはただ現実の感情を、 計算器に入れ、 それからはじかれる、、 値をひとつずつ踏んでゆくだけです、、 こわい人間だ、 こわい人間だ、と言い、、 さらにすることは、 さらに奥へ行くこと、、 からだに声を掛けること、 私には欲望がないと思っていた、 しかし、欲望は、 同じ場所を、 掘れば、掘るほど、 次々

          • <2979>「私が生を掴むために」 - そうだろうね、いやどうでしょう

            ねえ、 生きていることが、 とても楽しかったらどうする? うん、 別にどうもしない、 うん、 どうもそうなのだ、、 私は、 生きているということが本気です、、 現実の時間に、 うまくくっついてこれたのかしら、、 私には、 嫌いという感覚など、 存在しないと思っていた、 でも、 ちゃんとあるんですね、、 本気になってやりたいと思えば、 本気でないことに対して、 嫌いは発動します、、 私は、 こんな熱のなかに居た、、 こんな風景のなかに居た、 はじめて生きている、、 私が生を掴むために、 真剣さは不可欠だった、 はじめて生きている、 なんだか分からないけれど、、 からだじゅうから涙が出てくる、、 私は水に流される、、 あなたのはじまりの場所、、 わたしは存在する場所、 ひとつの日の中、 ひとつの命がよんでいるなか、、 あたしには絶対通したいものがあり、 それが、 だんだんと育っているのを感じる

            • <2977>「過去の眠り、新たな場所を夢見る」 - そうだろうね、いやどうでしょう

              時間の枠があり、 そのなかでの行動量があり、 そこで、 次々にことが進んでいけば、、 それで問題はない、 問題はない場所で、 じっくりと座っている、、 行かない、行かないよと言いながら、 どこかに行ってしまう、 行かないで、と言いながら、 もう満たされた私は、 どこかへ旅をしたくなっている、、 あたしには、 突然スイッチが切れるように、 周りの人に、 何の興味もなくなるときがくる、、 その前までは、 何か、いろいろ訊いてみたい、 話し掛けてみたいと、 思っていたはずなのに、 急になにも思わなくなってしまう、、 それは戸惑うことだ、 理由は分からない、、 ねえ、 どうして構ってくれないの、 興味を持ってくれないの、 話し掛けてくれないの、、 ねえ、 私は何故だろう、、 どこからこの病を、 持って来たのだろうね、、 人間の、 素質の核に存するものを、 自分で、選んだり、 選ばなかったり、、 で

              • <2974>「素直なかたち、からだ」 - そうだろうね、いやどうでしょう

                先が見えるということと、 実際に生きて、 のち、本当にそうなるということのあいだには、 ひとつの距離がある、、 私は身体で、 身体で学んでおくことがまず必要だ、、 あたしは非常に暗い時刻につき、 そこで身体を少しずつ振る、、 少しずつ生きてきたもの、 ああやがて通路が見える、、 あたしには語りたいことがない、 本当に人が好きなんだろうか、 乗せられて、 興奮するということはある、、 好きになるというのは時間で、 段々作られていく意思のようなものか、 からだがしずかな場所へ来て、 あたしはみずからが定めた運動を、 繰り返す、 これはどこへ行くの、 と問わなくてもよい、、 失敗してもよい、 失敗したことに対して、 調子に乗らないようにすれば、、 意外と失敗はテンションが上がるものです、 それに対して、 段々ならしていく術を持つこと、、 これは気持ちのいい遊びだ、、 あなたにはこの声がきこえるか

                • <2975>「あたし不思議時間、時間不思議事物」 - そうだろうね、いやどうでしょう

                  あたしは、 まだ子どもですという、 ひとつの保留の仕方からは、 離れることにする、、 何かに参加させられている側ではないし、 ピュアではないし、、 何も経験していない訳ではない、、 からだは既に始まっているし、、 存在が増している、 日々生きていることが濃くなる、、 あたしはきっと、 何が起きても大丈夫な訳ではない、 訳ではないが、 それぐらいにおもっているのは、、 私が自分に課したこと、 その重さが、 しっかりと私を地面にくっつけているのに、十分だからで、、 だから他のことは、 関係があるようで、 ないんだな、と思っている、、 私は日々を濃くするだけ、 おそらく何度も何度も線を引いていて、 ここはまっくろなのだが、、 あたしは順番に声を、 きいているには違いがなく、 きいて、きいて、 ききたおしていることが、、 どこか遠くなる、、 どこか遠くなった場所で、、 あたしは、 存在の風景のなか

                  • <2976>「そうか、俺は上手いんだな、悲しいな」 - そうだろうね、いやどうでしょう

                    あ、 明確に、 私を作っているものが、 入れ替わったな、 私は私のままなのに、 すっかり別の人になった、 と感じることがある、、 今まで慣れてきた、考えや、 環境との共同作業で立ち上げた、気分や、 感覚や、 その他諸々が、更新されている、、 出始めは、当然さびしい、、 もうあの頃の私は居ない、、 慣れると、 そいつがまた自分になる、、 こいつ以外では、 俺はあり得なかったぞ、というように、、 俺は何をしている、、 俺はからだに語り、 からだはただちに泡を立てる、、 私がありたい変化を見、 そこに行くまでには、 想像とくらべ、 ラグがある、 その遅れの波にゆっくり乗ること、、 うん、、 水の方向がゆっくり変わる、、 友達と、 家族のことについて話していたとき、 あ、 私が結婚についておどろくほど何も思わないのは、 親の影響が大きいと思っていたのが、 実は自己の素質によるところが大きいのだと気

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